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全国で犯罪者2千人を検挙=市警「史上最大の作戦」=逮捕者の収容場所に困る

2007年3月27日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】市民警察(市警)は二十三日、全国規模による犯罪者掃討作戦を展開、少なくとも二〇〇〇人を一斉検挙した。この行動は全国市警大作戦と名付けられ、二十五州とブラジリア連邦直轄区が参加、約三万人に上る刑事や捜査員が市中に繰り出して検問などに当った。
 作戦はこのところ失墜している市警の権威と信用を回復するのが目的とされている。サンパウロ州では一三九五件の家宅捜索令状をもとに、一八九四人が逮捕されるという市警史上最大の検挙数となった。なかには十年前に逮捕状が出されたにもかかわらず逃亡を重ねていた指名手配犯も含まれた。
 リオデジャネイロ州では六十五人、エスピリト・サント州では七十四人、ブラジリアでは四十三人が検挙された。ミナス・ジェライス州は今回は同調せず、別個に作戦を展開する。ピアウイ州では市警が待遇改善を求めてスト中のため動きが低調で、検挙は一人のみに終わった。
 バイア州では十九日から作戦を展開、二十四人を検挙した。州都サルバドール市では四日間で一三〇人の刑事と、述べ一〇〇〇人以上の捜査員が動員された。市内では六〇台のパトカーがサイレンを鳴らして行き交い、渋滞を引き起こす混乱ぶりとなった。
 サンパウロ州では六四二市で検問が敷かれ、市警本部の発表によると、四万九二九人が職務質問されて一六七五人の成年者が逮捕された。未成年者は二一九人だった。このうち二五七人は脱獄囚として指名手配されていた。
 これにより今回の検挙数は一カ所の刑務所を満員とし、四カ所の少年更生施設の収容人員に匹敵するものとなった。この作戦に二万人が動員され、事前に各捜査課からブラックリストが提出されて分担を決めていた。このほか三万六五五四台の車が検査され、二五七丁の銃器が不法所持で押収された。
 また、警官に抵抗して撃ち合いとなり、三人が死亡した。この中にはサンパウロ市コンゴーニャス空港を根城にノートブック型パソコンを強奪する組織の主犯が含まれた。
 エスピリト・サント州ヴィトリア市では五十八人が逮捕され、マイクロバスを改造した仮設収容所に押し込められた。しかし人権擁護団体のお定まりの抗議で、急きょ市内の定員オーバーの刑務所に移送された。犯罪人を逮捕しても入れる場所がないというブラジルの実態を浮き彫りにした。