2007年3月28日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】航空管制トラブルで国内主要空港での飛行便のキャンセルや発着の大幅な遅れで混乱が続いている中で、国内最大の規模を誇るサンパウロ国際空港(クンビッカ空港)で機器の故障が明るみに出て内外にショックを与えている。
故障が発覚したのは濃霧の際に無視界でも着陸できる自動着陸誘導装置で、二月二十五日に故障して以来、約一カ月間使用不能になっていた。この誘導装置は視界三〇メートル(一〇〇フィート)の霧がかかっても着陸可能だが故障で作動しなかったため、二十四日までの過去三日間視界一〇メートルの霧で空港を閉鎖する原因となった。
空港設備を管理する空港インフラ整備公団(INFRAERO)によると、故障は二月二十五日の落雷によるものだが、三日後に修繕を終えたという。しかし設備を検査する空軍の検証グループの到着遅れで運用再開が遅れたと説明している。
いっぽうで空軍側は三月に入り検証を行ったが、満足な結果ではなく、やり直しを命じた後、同公団の修復が遅れたとの釈明を行っており、両公的機関が罪のなすり合いをしている。
装置は二十六日午後、修復を終えて正常通り再開されたものの、午前中のみで離着陸予定の四五〇機のうち九〇機に遅れを生じた。これが原因で全国の便の一五%が一時間以上の遅れを見せた。
管制ミスが一向に改善されず空の足が混乱している中、新たな設備管理ミスが発覚したことで、ルーラ大統領は不快感をあらわにし、ピーレス国防相を呼んで説明を促すとともに善処を求めた。同国防相は関係者とともに二十七日、大統領に善後策を提出することを約束した。
大統領の関係筋によると、重なる不手際にもかかわらず、大統領は国防相更迭の意向はみじんも見せていないという。政府側の懸念は今回のミスにより、アパゴンと呼ばれる空港混乱の議会調査委員会(CPI)の設置の動きが活性化することにあると伝えられている。