2007年3月29日付け
ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は、第十九回通常総会を、二十四日同センターで開催した。従来の研修事業、イベントに加え、昨年は、教師認定制度を確立、デカセギ向け日本語速成塾の募金活動を開始し、三年間休校していた日本語教師養成講座を再開。会計に関して「昨年は切り詰めたので、今年は潤沢です」と報告があり、〇八年に日本移民百周年記念事業として「ふれあい日本の旅」を企画していることが発表されるなど、明るい総会となった。
まず、先没会員に対して黙祷を捧げたのち、谷理事長を議長として会が進行。資料の読み上げになるのを避けるためパワーポイントを使用し、事業報告では多くの写真で、行事の様子が伝えられた。
日本語教師認定証については、ようやく昨年実現にこぎつけた。七月に百二十七人が受領。今年の一月にも授与式があり、これまでに百七十八人が受け取っている。
続く、会計報告では田中栄一会計理事が「センターの資産は約百五十万レアル。六百人の会員なので、一人二千五百レアル分ずつの権利がある。どんどん質問してください」と場を盛り上げて始まった。
同センターの総収入、総支出は百六万二千八百九十四レアル(〇五年=百八万レアル)。収支の一〇%を会費が、二六パーセントを事業収入が、五四パーセントを助成金、寄付金が占める。
昨年は、急激なレアル高によるJICA助成金の目減りと教師謝金の廃止から、次年度繰り越し金が約六万レアルに減少したが、「昨年切り詰めた」結果、今年に十三万レアルの繰り越しを残した。
二〇〇七年度事業計画案では、今年四月に講座教師研修を始める速成塾に関して、塾の形式や生徒の集め方など、教師らからの質問があいついだ。谷理事長は「絶対の保証はできないがセンターを信用して取り組んでください」と説明。
また、日本語まつりの会場について、これまでセンターで開催されていたが、来場客が混雑しないよう、広い場所を借りての開催が提案された。
さらに、事業計画では、来年の実施を見込み、日本移民百周年記念事業として「ふれあい日本の旅」を予定していることが明かされた。
同派遣団は、十四から十六歳を対象に、「日伯新時代にふさわしい両国の親善交流促進を目的に、日本語を学習する若者を派遣する」。二十五日間に及ぶ日程で、現在、日下部良武理事が最終打ち合わせに訪日し、詳細を確認している。
二〇〇七年度の予算計画は、速成塾への寄付金や教材販売費など五十一万四千二百レアルを含めて、百四十九万百レアル。田中理事は「今年は潤沢です。大船とまでは行きませんが、〃中船〃に乗ったつもりで行きましょう」と笑顔を見せた。
総会は、高橋ロドルフォ副理事長の「センターは教師のためにある。計画を実行に、実行後には結果を。先生方の協力と参加をお願いします」という閉会の辞で締めくくられ、懇親会に移った。