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来年は1千人超の訪伯ラッシュか!?=百周年協会=松尾執行委員長が帰国報告=9都道府県〝行脚〟で手応え

2007年3月29日付け

 「ブラジルの日系人の姿を見てもらいたい」――。〇八年のブラジル日本移民百周年の広報活動を目的に今月七日から二十四日まで訪日していた松尾治百周年記念協会執行委員長は二十八日午前、同協会で帰国報告記者会見を開き、「予想していたより成果があった」と疲れを感じさせない笑顔で手応えを話した。北海道、宮城、東京、愛知、大阪、京都、兵庫、福岡、沖縄の九都道府県の各県庁、地元報道機関を訪問、外務省、JICA、各地の友好協会など関係諸団体と懇談を行った。各県ではすでに数百人レベルでの派遣団を検討しているようで、来年は千人を超える訪伯ラッシュとなりそうだ。なお、〇八年四月二十五日に東京で、同月二十八日には神戸で記念式典が開かれることから、「ブラジル側からの慶祝団派遣は必要だろう」と話した。
 今回訪問した九都道府県で知事と懇談したのは、宮城(村井嘉浩知事)、京都(山田啓二知事)、兵庫(井戸敏三知事)、福岡(麻生渡知事、全国知事会長)。北海道、沖縄は副知事、東京、愛知、大阪は担当部門責任者が対応したという。
 北海道は、〇九年が道民移住九十周年にあたることから、松尾委員長は、「〇八年の動きは少ないのでは」としながらも、百周年でのよさこいソーランのブラジル派遣が決まっていることから、交流は期待できるとの見方を示した。
 なお、北海道日伯協会(松田利民会長)は百周年事業に積極的に取り組む姿勢を見せているという。 
 宮城の村井県知事は、訪伯の希望を強く語りながらも、県人会との調整が必要と述べるに留まったようだ。
 「来年には必ずお伺いします」と明言したのは、京都の山田府知事。実現すれば、現職府知事の訪伯としては初めてとなる。
 ブラジル訪問に積極的な働きかけを行った京都ブラジル文化協会(森田嘉一会長)は、来年九月に百人レベルの慶祝団の派遣を検討しており、茶、華道、着物、京料理などの京都の伝統文化を紹介する予定だという。
 一九二八年に設立された神戸移民斡旋所を改修、「国立海外日系人会館(仮称)」として活用することを神戸市とともに決定している兵庫県。井戸県知事は、来年四月二十八日に神戸で行われる記念式典で、同会館の改修着工式を行うことを明らかにしたという。
 日伯協会(西村正理事長)は慶祝団の募集を今年八月から開始、約二百人を想定している。
 なお、パラナ州クリチバ市に昨年、事務所を設置している兵庫県は、パラナの百周年事業にも積極的に関わっていくようだ。
 松尾委員長の郷里、福岡の麻生県知事は全国知事会の会長を務める。「今回の知事選でも当選し、知事会長を続投してほしい」と松尾会長は期待をかける。福岡では、移住家族会が中心となり、百五十人から二百人の慶祝団を組織するという。
 〇八年八月にサンパウロ市で行われる沖縄県人ブラジル移住百周年式典には、沖縄ブラジル協会(西原篤一会長)が中心となり慶祝団派遣を検討しているようだ。昨年那覇市で開催されたウチナーンチュ大会では、ブラジルから四百二十人が参加した。同協会では、「それを超える五百人の使節団を送りたい」とやる気を見せているという。
 松尾会長は、「東京、名古屋、大阪などの大都市では関心が薄かった」と感想を話しつつも、各県とも記念写真展の開催には好反応だったという。
 外務省、JICAなどの担当者は、百周年に対して「加勢したい」と話し、具体的には記念誌の編纂などが実現可能と話したという。
 各地の記者クラブで説明会を行い、産経、西日本新聞などに記事=写真=が掲載、北海道、沖縄テレビなどで紹介された。