2007年3月29日付け
国外就労者情報援護センター(CIATE)の田尻慶一専務理事が三年の任期を終えて三十日に帰国するにあたり、二十七日昼、同会議室にセンター役員ら約三十人が集まり、送別会が行われた。同時に後任の佐倉輝彦氏(66、福岡県出身)が紹介された。
一九六一年から六四年までウジミナス立ち上げに来伯奮闘し、七二年からは新日鉄駐在員としてリオへ、今回は三度目で、計十一年滞伯となる田尻専務理事。「どっちが自分の母国か分からない」と冗談を言いつつ、在日ブラジル人約三十万人が日本経済を下支えしており、「彼らなくして日本経済は立ち行かない」と語り、日本に帰ってもブラジルと関係を続けたいとの熱いメッセージを残した。
新任の佐倉氏は約二十五年間もヴァリグ航空の東京事務所で働き総支配人補佐まで務め、その後も厚生労働省の外郭団体ニッケイズで南米からの労働者の相談窓口に立つなど、計三十年もブラジルとの関わりがある。
来伯間際に、静岡県浜松市や群馬県大泉町などのブラジル人集団地を視察するなどして見識を深めてきた。「CIATEの果たすべき役割は多い。みなさんのご支援を」とあいさつ。妻、睦子さんを同伴して着任した。
同センター評議員会長の上原幸啓氏が乾杯の音頭をとり、一同はゆっくりと歓談しながら、田尻専務理事の帰国を惜しんだ。