2007年3月30日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】ブラジル地理統計院(IBGE)は二十八日、新しい算出方法による二〇〇六年度の国内総生産(GDP)成長率を三・七%へと上方修正した。同院では先週、〇五年度までの成長率を修正したが、〇六年度分は今週に持ち越されていた。
それによると旧来の算出方式では成長率は二・九%とされたが、今回はそれを〇・八ポイント上回る結果となった。これにより、これまで金融機関筋が見積ってきた今年度の成長率平均三・五%から、四・八%(リオデジャネイロ連邦大学の見通し)へと予測修正する向きもある。
新しい算出方式によると、昨年のGDPは二兆三二二〇億レアルに達し、国民一人当たりの平均所得は一万二四三七レアルで〇五年度対比一・五%の上昇となった。GDPをドル換算すると一兆六七〇億ドルとなり、初の一兆ドル台に乗せたことで、世界の一〇番目にランクされ、先進国に一歩近づけた。金融アナリストはこのまま推移すると八番目にランクアップも可能だとみている。
GDPによる世界ランキングはアメリカが一三兆二六二〇億ドルでトップ、二位が日本の四兆四六三〇億ドルで、三位以下はドイツ、中国、英国、フランス、イタリア、カナダ、スペインの順となっている。
いっぽうでラテンアメリカ圏内での成長率でブラジルはこれまで、わずかにハイチを上回るのみの下から二番目の十八番目に位置していたが、今回の修正でパラグアイ、エルサルバドル、ニカラグアを追い越して十五番目となった。トップはアルゼンチンの八%成長で、以下ベネズエラ(七・五%)、コスタリカ(六・五%)、パナマ(同)、ペルー(六%)の順になっている。
昨年の成長率で顕著だったのがサービス部門で、GDP算出の六四%を占める中で三・七%の成長を見せた。割合が少ない他の部門の金融(六・一%)、不動産(四・三%)、公共部門(三・一%)も成長に貢献した。農業は四・一%、工業は二・八%だった。
反面、輸入が増加していること、設備投資が少ないことで供給が減少することが懸念されており、早ければ〇八年には影響が出ると見る向きもある。