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復活祭控えタラ販売に拍車=輸入量はダントツの世界一

2007年3月30日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】四月六日の復活祭(パスコア)を控えて鱈(たら)の販売に拍車がかかっている。この時期、肉食を控えることから魚料理が食卓を占めるが、宗教的な伝統から鱈料理が主流となっている。こ時期に限らず、毎週の日替わり定食でも鱈料理は定番となっており、国民にとってなじみが深い。
 鱈は寒流に生息する魚でブラジル近海は暖流のため水揚げされず、すべてを輸入に頼っている。それでも何故大衆に根付いたのか? 宗教的な色合いのほかに、鱈料理を常食としているポルトガル統治時代の名残と考えられている。
 このためブラジルの輸入量は世界一で、第二位のポルトガルのほぼ二倍となっている。そのほとんどがスカンジナビア諸国からのもので、世界最大の輸出国ノルウェーの漁業審議会の統計によると、昨年のブラジルの輸入量は二万七四〇八トンと世界一で、ヨーロッパ諸国の総計一万九六〇九トンを上回り、第二位のポルトガル(一万四八一八トン)のほぼ二倍となっている。
 今年に入ってのブラジルの輸入量は九七六三トンで、ポルトガルの二一七四トンにさらに水を開けている。これに対しポルトガルは最高品種の輸入量が主流で、金額的に世界一だと反論しているが、同審議会はその中からブラジルにかなりの量が再輸出されていることを認識していないと指摘している。
 鱈料理のエキスパートを自負するレストラン・アンチクァリウス(アラメーダ・ロシア街一八八四番)のオーナーは、ポルトガルでは二、三品に限定されるが、同店では一〇品目以上のメニューがあり、汎用が広いとしている。
 しかし前出の審議会によると、アジア諸国の輸入が急増しており、ブラジルが世界一の座を維持できるか疑問を抱いている。その背景には国内の販売価格が高価でキロ当り四五レアルから八二レアル、一般品種でも三八レアルから七四レアルとなっており、庶民には高値の花となっていることを挙げている。輸入専門店によると、冷凍物の購入者は韓国系コロニアがトップを占めているという。