2007年3月30日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】高等裁判所特別法廷は二十一日、電機メーカーのエバジン社に対し、日本の三菱電機の商標を使用することを禁止する判決を言い渡した。同時に一二〇〇万ドルのロイヤリティの一括支払いを命じた。
これは三菱電機が日本で提訴して二〇〇二年に日本の法務省が判決を下したものを認めたもので、エバジン社は控訴の権利がなく、確定判決となった。三菱電機はブラジルに駐在事務所がないため、判決は日本の法務省に送付された。
両社の提携契約の紛争はほぼ十年の長きに至り、ようやく決着した。三菱電機側は一九九九年、七〇年後半から続いた技術提携にメリットなしとして打切りを通告した。この折、〇一年までロイヤリティなしで商標の継続使用を許可した。
しかしこの時点からエバジン社側は日本側に対しての部品などの注文がゼロとなった。このことから数年間、三菱ブランドのテレビは名前のみで、中味は日本製の部品や技術の使用が皆無となった。これに態度を硬化させた三菱電機が提携契約の条項に唱われている日本の裁判所に提訴したもの。
ブラジルでは国際間のトラブルの裁判は九七年以来となっている。エバジン社側はこれまで契約解消の阻止に向けて様々な手段を講じてきたが、徒労に終わった。同社はブランド交換で市場に浸透するには十年必要だとして工場閉鎖の憂き目に直面すると訴えていた。
今回の判決を予期したかの如く、これまで使用しなかった「アイコ」ブランドでプラズマや液晶テレビを上場した経緯がある。同社のサイトでは今でも十四インチ、二〇インチ、二九インチのテレビはMITSUBISHIとなっている。
エバジン社は六〇年代から三菱の日本製品を輸入販売し、七九年に技術提携契約を結んで現地生産を始めた。オーナーのレオ・クリス氏は元銀行マンで、投資で年間一〇億ドルの収益をあげ、九六年のアメリカ商工会議所のマン・オブ・ザ・イヤーに輝いた。二〇〇〇年にはアラプアン商店のインサイダー取引の疑いで追及を受けたことがある。