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日本語教師=本邦研修の継続を=日本当局向け見直し反対署名運動=続けよう、とセンター確認=5千人分集める計画

2007年3月30日付け

 【既報関連】本邦研修の継続を――。ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は、昨年末に総務省政策評価・独立行政評価委員会より「国際協力機構(JICA)が行っている日本語研修事業については(中略)、廃止を含めた抜本的な見直しを行うものとする」とした案が出されたことについて、二十四日の通常総会で、廃止反対・継続要求の署名活動をこれからも継続していくことを承認し、一層の協力を呼びかけた。同委員会より、見直しについての問題部分を含む「主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」が提出されたのは昨年十一月二十七日。十二月二十四日には、行政改革推進本部が、見直し案を決定し了解している。

 見直しの決定案は、「日本国内で実施している移住者の子弟や日系人の日本語教師に対する日本語教師研修については、日系子弟のアイデンティティーの形成を意図した子弟教育の一環としての意味を持ち、日本語のみならず日本文化の継承も念頭においている側面も有しているが」と、研修の重要性にふれながらも、最終的には「廃止を含めた抜本的な見直しを行うものとする」と結論付けている。
 同センターでは、谷理事長により見直し案が紹介された直後、今年一月から廃止反対の署名活動を開始した。これまでに、全伯にある四百五十の日系団体、各モデル校、日本語学校、県人会、県連に、署名活動をお願いする主旨分を送っている。
 また汎米日本語教師研修会に参加し、JICA本邦研修に教師らを派遣しているアルゼンチン、ペルー、パラグアイ、ボリビア、ベネズエラ、メキシコ、ウルグアイの教師らにも参加を呼びかけた。南米にある日本国領事館にも理解を求めている。
 署名の送り先は、外務大臣、国際協力機構と、総務省政策評価・独立行政邦人評価委員会。各団体がそれぞれの立場で嘆願書を作成し、署名のみならず、研修を受けた教師の感想や研修に寄せる期待、父兄、生徒の思いなども添える。
 谷理事長によれば、これまでセンターに寄せられた署名は約千人分。約二十五カ所から寄せられており、「整理がつかない」と丹羽義和同センター事務局長。宮崎県人会、全伯日本語モデル校代表者連合会、JICA本邦研修OB会、アルゼンチン、ペルー、ボリビアでも活動が開始されており、パラグアイでは、訪日中の関係者が外務省やJICAに直接向かい、署名などを手渡すという。
 谷理事長は「ブラジルには約二万人の日本語学習者がいる。これを支えているのは、先生方だ」と、教師研修を行うことの意義を強調。丹羽義和事務局長は「日本へのあこがれ、つながりを強く意識しているのは、ここ中南米の人たち。ここの特殊事情をよく認識してもらいたい。日系社会全体の活動に広まれば」と展望を述べた。
 四月上旬までに、三千から五千人の協力を集めたいとしている。