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福祉センター今年着工へ=救済会総会=憩の園が来年50周年=地域福祉にも注力=史料室も今年中に

2007年3月30日付け

 救済会(吉岡黎明会長)の第五十五回定期総会が二十四日午前九時から、文協ビル内エスペランサ婦人会で開かれた。〇六年事業・収支報告のほか、今年も地域社会の福祉活動に取組んでいく方針を確認。さらに懸案だった「憩の園」内での地域福祉センター建設とともに、会の歴史を振り返る史料室を開設する準備を進めていることも報告された。いずれも今年中の着工、開設をめざすという。同会では来年、「憩の園」創立五十周年を迎える。半世紀の節目に花を添える記念事業になりそうだ。
 総会には役員、理事など約四十人が出席。田中福蔵名誉会長、渡辺ジョゼ・カルロス顧問など、昨年から今年にかけて亡くなった会関係者に一分間の黙祷を捧げた後、〇六年の事業・収支報告が行なわれた。
 憩の園在園者は昨年末時点で八十八人(男性二十九人、女性五十九人)。八人が死亡、六人が退園し、十四人が新規に入園している。現在の会員数は千二百四十二人。
 昨年は在園者の文化活動や運動会、家族会など憩の園の活動に加え、地域向けの高齢者介護講習、非日系の高齢者福祉団体との交流なども進めてきた。このほか、在宅介護者グループによる講習会や、十一月にはABJICAと共催で「二十一世紀を生きる高齢者の生活」と題した講演会を開くなど幅広く活動している。
 今年の事業計画でも憩の園運営に関する「施設福祉」とともに「地域社会福祉」を柱として挙げている。相田祐弘第一副会長はさらに、ここ数年の懸案だった「高齢者福祉センター(Pavilhao Comunitario)」の建設と、園内に史料室を設置する計画を今年中に実行に移す考えを示した。
 福祉センターは高齢者や家族向けの講習やイベントなどを目的とした建物で計画面積は約千三百㎡。
 予算は約五十万レアル。建設委員会を担当する相田副会長は、これから資金集めのためのパンフレットを作成し、今年八月のバザー後に工事開始をめざす考えを明らかにした。
 史料室は、同園の土地が寄贈された当時からある旧作業室の一部を利用するもの。救済会創立から現在までの歴史を振り返る写真や文書などの史料を展示する予定。現在展示内容について委員会が検討中で、今年中の開設をめざしている。
 「訪れた人が、見るだけで(創立者の)渡辺マルガリーダさん、そして憩の園の歴史がわかるような史料室にしたい」と委員の一人、大浦文雄理事は話す。大浦理事はまた、「展示を充実させるためにも、史料を持っている人は事務局まで申し出てほしい」と協力を呼びかけた。
 日本移民百周年にあたる来年、「憩の園」は創立五十周年を迎える。記念行事の日程などは現時点では決まっていないが、吉岡会長は「これから委員会を作り、百周年と調整しながら検討していきたい」と述べた。
 昨年度の同会収支は二二〇万四八八八・四八レアルで八万一九七七・五五レアルを繰越し。今年度予算は二四六万二〇〇〇レを計上、総会で承認された。
 総会後はエスペランサ婦人会の協力により昼食が用意され、出席者は食事を囲んで懇談した。