ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 航空管制CPI復活へ=最高裁、仮処分下す=「トラブルは闇に葬れない」=4月か5月に最終決定

航空管制CPI復活へ=最高裁、仮処分下す=「トラブルは闇に葬れない」=4月か5月に最終決定

2007年3月31日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】最高裁(STF)のセウソ・デ・メーロ判事は二十九日、航空管制CPI(議会調査委員会)を復活させる仮処分を下した。同CPI設置の申請は二十一日、下院で却下されたが、政府はまた黒星を味わうことになりそうだ。同仮処分は、航空管制トラブルについて国民が事実を知る権利があるとした。CPI設置の是非は、最高裁法廷で四月か五月に最終審議を行う。下院は連立与党が過半数を占め、同CPIの設置が無意味であると野党は悲観的だ。キナリア下院議長は、CPIの是非について最高裁の最終判決を待つと述べた。
 選挙高等裁判所の議員の移籍禁止判断から二日目、最高裁による仮処分で政府は新しい荷物を背負いそうだ。しかし、政府の全面敗北ではない。最高裁がCPI設置の是非を決めるには時間がかかり、政府は善後策の対応に一カ月の猶予が与えられている。
 同判事が航空管制トラブルは客観的事実であるとし、野党の上程案内容を全面的に認めた。仮処分は臨時的措置であるが、即時執行の法的効力はある。同件は特殊なケースであり、トラブルの原因が解明されないとCPI設置は決められないと同判事が述べた。
 ブラジルでは航空トラブルの法制度や臨時審議会、下院航空委員会などがなく、治安対策の観点から最高裁の指示に従うしかない。最高裁判事の仮処分は、下院議長の措置と同等の効力がある。
 下院本会議が二十一日、同CPIの設置を少数派の意見として反対三〇八票対賛成一四一票で否決した。これは連邦令の趣旨に反すると、同判事は判断した。これまでにも、少数派の申請でCPIが設置された判例は数多い。ビンゴCPIの設置がその好例だ。政府高官を含め多くの人々に迷惑をかけた航空管制トラブルを、闇に葬ることはできないという。
 航空管制トラブルでは、一五四人の生命を犠牲にしたGOL航空惨事も含まれる。事故再発の危険性はまだ解消されていない。第二、第三の悲劇を引き起こす可能性は残されている。政府の管理下にある航空管制システムが頼りないことは、国民にとって基本的人権の問題といえそうだ。
 キナリア下院議長は二十九日、最高裁の仮処分がCPI設置決定でないことを指摘した。下院本会議で表決を行い絶対多数で決議したことを、最高裁が異を唱えるのは不可解だとジェンロ法相が批判した。立法府とは何かと訴えた。
 野党は、最高裁仮処分がCPIの即時設置を命じなかったのを法律上の詭弁だと訴えた。最高裁が政府へ戦闘準備の時間を与えるなら、野党は奇襲作戦に出るべきだという。
 野党は、最高裁判断にCPI設置を否決した理由説明が不十分とする指摘があったことを取り上げた。さらに野党が、下院議長の政府ひいきの越権行為は、議会の私物視だとして槍玉に挙げる考えでいる。現政権の下、刑務所で日常茶飯事とされる拷問CPIの設置案も準備している。