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現体制派が大きくリード=文協評議員選挙=GAS65、「しんせい」35を獲得=鍵にぎる〝小川派〟の動き

2007年4月3日付け

 現体制圧勝か――。先月三十一日、ブラジル日本文化福祉協会(上原幸啓会長)の総会で評議員選挙が行われた。七百八十一会員(無効票十三)が投票、総投票数は五万六千五百三。百人の公認立候補者を抱える与党、「現体制派支援グループ(GAS)」は六十五人(補欠二十一)、戦後移民を中心とする「しんせいきのかい」(公認七十七人)は、三十五人(二十補欠)を送り込んだ。今月二十八日の理事会選挙に事実上の出馬宣言をしている小川彰夫氏(文協副会長、公認立候補者数は未公表)は開票後、ニッケイ新聞の取材に対し、「(自身の公認立候補者が)二十五人以上は入っている」とコメント、各派の発表をけん制した。理事会選挙では、今回当選した百人に加え、六人の永年評議員が投票権を持つ。五十四票が過半数となる選挙に絶対優勢の立場を守ったGAS。今回の結果から、「しんせい―」、小川両派連立の可能性も濃くなってきたようだ。
 午前九時に開会した総会には、百三十六人(うち四十が委任状による)が出席。二宮正人氏が議長に、書記は山下ジョルジ氏、補欠書記に西銘光男、上見ジュリオ、永堂ジョルジの三氏が選ばれた。
 在聖総領事館の丸橋次郎首席領事のあいさつに続き、山内淳選挙管理委員長が今総会唯一の議事となる評議員選挙に関する流れを説明。「しんせい―」の諸川有朋氏から、開封後の封筒を保存するよう要請があった。
 三十日までに投票された七百四十七票が壇上で開封され、展示室で集計された。各集計チームが六十票ずつを分担した。
 当日に投票された三十四票が十一時過ぎに開封され、全ての集計作業が終了したのは午後三時。
 山内委員長は、七百八十一票のうち、十三票を無効と見なし、七百六十八票を有効票と発表した。今回選出された百評議員のうち、約四割を前評議員が占めた。
 前評議員百五十人のうち、企業は三十三、日系団体が一だったのに対し、今回は企業が十、日系団体が三十二となっており、県人会、地方文協の参画が顕著な変化といえそうだ。人数が五十人減少したことで、全体に占める一世、二世の割合はそれぞれ、三割から二割強、四割から三割強へともに低下した。
 なお、選挙管理委員会は同日解散、次回理事会選挙に向けた選管委は新たに組織される。