2007年4月4日付け
【ヴェージャ誌二〇〇一号】空港業務管理の責任者である空港インフラ整備公団(Infraero)は、管理業務よりも公金横領と違法送金に精を出す伏魔殿といえそうだ。設立されたのは一九七二年、空港の管理業務を仕切る技術者集団であった。それがルーラ政権に代わった二〇〇三年、政治家集団に交代した。
ブラジル労働党(PTB)元党首ジェフェルソン氏の腹心ウイルソン下議が同公団総裁に指名されると、InfraeroはPTBのドル箱に改造された。不審に思った会計検査院(TCU)は、滑走路の修理にまつわる大掛かりな工事費の不正処理を発見した。
空港保全の請負企業による水増し請求や不正入札、資金の横流しは億単位で行われた。同公団の現総裁ペレイラ氏は十九日、不正工事のシッポを出した。同総裁が最も信用していた管理職が、一億六〇〇〇万レアルを不動産業者から受け取ったからだ。
政治家が公共事業や民間事業のいかんを問わず取引に関与し、ブラジリアで内密に必要な許可を取り付ける。ブラジリアでは同公団が一等地で二五ヘクタールの物件を管理していた。同物件は建築業者の垂涎の的であった。
物件は連邦直轄区の所有であったが空港公団へ貸与され、同物件を公団が購入する交渉を始めた。同区が公団へ四〇〇〇万レアルで売却することが、ロリス知事の間で決められた。その後間もなく公団は、民間企業へ同物件を売却した。
この売却で同民間企業に対する公団の債務を決済した。しかし、この取引は、公団が大損をする常識外れの話であった。同公団はその後、ブラジル民主運動党(PMDB)へお鉢が移され、さらに労働者党(PT)のマルタ観光相へドル箱が回った。
同公団は、空港業務の円滑運営だけが仕事ではない。公団はどの党が管理しても政治資金を生み出す泥棒の巣窟である。昨年はソフトの購入といって入札もせずに二六〇〇万レアルを使ったが、ソフトは使われたことがない。
ソフト購入が表面化したので、公団は売却といってごまかした。それで公団の売上げ伝票第一号が発行された。これまでに数々の資産売却が伝票なしで闇に行われたことを物語っている。
ブラジリア空港にガソリンスタンドがあった。名目は公団の所有だが、VASPのカニェード氏が経営しインチキガソリンを売っていた。同公団の役員一族や親族が、公団の名前で不正取引を常習しているのは珍しくない。
現総裁のペレイラ氏になってから、公団を根城にする小さな不正行為や違法犯罪を生業とするねずみがたくさん増えた。例を挙げるとキリがない。