2007年4月6日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】現行の経済政策を痛烈に批判して政府内および関係者の間で物議をかもした財務省経済政策局のアルメイダ局長に対し、マンテガ財務相は四日付で解任を言い渡したことで、財務省内の不協和音が露呈する形となった。
同局長の後任には財務省行政局のアッピー局長が横すべりで就任、アッピー局長の後釜には第一次ルーラ政権時のマシャド前社会保障相の起用が発表された。
解任された前局長が中銀の金融政策が誤りであり、財務省筋はこれに対して何らの口出しもできぬ状態にあると強く批判したことに対してマンテガ財務相は反論し、中銀の政策は現在の国家情勢にかなった妥当なものであるとした上で、これまでにない効果を挙げているとの考えを強調した。
その上で、その証拠として世界でも類のない経済成長、インフレ抑制、金利引下げなどを成し遂げているとの見解を示した。
財務相によると今回の突然の解任劇は、今週始めに前局長が辞意を表明したのを保留していたものを、今回の政府批判発言はあたかも(政府の)部外者的立場と受け止められる要素が濃厚だったことで解任を決めたと説明している。しかし前局長が今回の発言で、省内に留まるかどうかは財務相の決断次第だと明言していることから、解任は今回の発言が原因だと見る向きが多い。
政府筋によると、ルーラ大統領はかねがね経済専門家のスタッフの意見対立は省内で穏便に解決するよう指示を出しており、今回の前局長の発言に怒りをあらわにしたという。これによりさらなる不協和音が露出しないためにも、財務相が解任に踏み切ったと伝えられている。
アルメイダ前局長は工業会とのパイプが太く、どちらかというと同業界寄りとされている。このため工業成長の障害となる金利と為替政策をこれまで批判してきた。このためにレアルは過大評価されているとの発言に至った。
前局長によると、ブラジルの産業界はアジアに比し三〇%から三五%の競争力を失っているという。コスト高、ドル安をカバーするため値上げを余儀なくされている。このため昨年の輸出は金額的に一五・二%増となり表面的には輸出好況の態を見せたが、量的にはわずか三・三%の伸長にとどまったと指摘している。また衣料および製靴業界では三五万人が失業の憂き目にあったとして、政府の無政策が原因だと批判している。