2007年4月10日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙九日】凶悪犯罪の増加と治安悪化に対する市民の懸念が高まる中、死刑制度導入の賛成者が五五%に達したことが、ダッタフォーリャの調査で明らかとなった。
調査は三月十九日と二十日に二十五州(連邦直轄区を含む)の五七〇〇人を対象に、聞き取り調査の形で実施された。誤差率は上下二ポイント。
死刑導入に賛成と答えた人は五五%に上り、前回調査(二〇〇六年八月)と比べ四ポイント上昇した。反対は四〇%で、前回比二ポイント低下した。「関心がない」二%、「わからない」三%だった。
賛成の五五%は一九九三年と同じで、九一年の調査開始以後最も高い水準。賛成の割合は最も低いときでも四八%と、全ての調査で反対を上回っている。今回の調査では男性(六〇%)、高所得者(最低賃金の十倍で六四%)、南部地方(六六%)に賛成が多かった。二月に男児が自動車に引きずられ殺害された事件の発生したリオデジャネイロ州では、〇六年五月の三八%から今回は五一%へと、賛成者が急増した。
アムネスティ・インターナショナルは、連邦憲法第五条四二項が「宣戦布告状態を除き死刑を認めない」と定めていることを理由に、ブラジルを死刑制度の一部廃止国とみなしている。たとえ半数以上の人が死刑制度の導入を望んでいるとしても、平和時の死刑を禁止した同項の改正には、修正案の可決ではなく、憲法会議の招集が必要とみられている。