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人文研総会=HPの内容充実図る=叢書は3冊刊行予定

2007年4月10日付け

 サンパウロ人文科学研究所(本山省三理事長)は〇七年度通常総会を三月二十九日午後、同研究所会議室で開いた。
 脇坂勝則(顧問)、菊地マリオ(副理事長)、鈴木正威(会計理事)、辻哲三(監査)、田中慎二(理事)、原泰朗(事務局長)、古杉征己(研究生)、栢野桂山(会員)、大浦文雄(同)の九人(順不同、敬称略)が出席。鈴木会計理事により〇六年度の事業報告が行われた。
 三月に画家・若林和男氏の提唱により日系コロニアのアーティストが作品を出展した「人文研資金カンパ小品展」が文協美術委員会、ブラジルを知る会の協賛により行われた。期間売上金の半分にあたる二万六千五百四十二、五〇レアルの寄付があった。
 また、移民百周年を記念して行われている出版事業「人文研叢書」の第四号として、清谷益次、栢野桂山両氏による「コロニア短歌、俳句」が刊行。第一号として〇二年に刊行されたブラジル日系社会論集「ボーダレスになる日系人」のポルトガル語版が脇坂顧問の翻訳、宮坂国人財団の援助により、十月に出版されたこともあわせて報告された。
 なお、今年一月には、岡村淳(理事)、小笠原公衛(史料館JICAシニアボランティア)、山本裕美子(県連JICA青年ボランティア)、古杉研究生ら各氏で構成されるHP委員会を中心にHPが立ち上げられている。
 特別会員であるサンヨー牧場、画家・大竹富江、三浦義幸、水本澄子の両氏、エスペランサ婦人会からの寄付があった。
 決算報告では、純資産が六十万八千八百五、五〇レ、収支が十二万一千七百六十レであることを承認。〇七年度の予算案は、九万八千レアルとなっており、鈴木会計理事は「会員の会費納入率はほぼ百%に近い」と付け加えた。
 〇七年度事業案に関しては、先月出版された「人文研叢書」第五号「ある日本人農業移民の日記が語るーブラジルにおける日本農業移民像―」(西川大二郎法政大学名誉教授)のほか、第六号として「鈴木悌一―ブラジル日系社会に生きた鬼才の生涯―」(鈴木正威理事)の出版を予定。
 下半期以降は、「日系コロニア文芸 下巻」(文学、詩、川柳編)が企画されている。
 今年はHPに力を入れたいとの考えから、辻監査がまとめた論文「日系企業とブラジル文化の関係」を掲載、今年の移民の日をめどに、日本移民五十年祭委員会が刊行の「物故先駆者列伝」の人物を分野別に紹介していくという。
 最後に、今年七月JICA青年ボランティアの横尾悦子さんが派遣されることが決まったことを報告。続けて、劣化、損傷が激しくなっている史料、文献のデータベース化により、内外の研究者の利用に対応する態勢作りの重要さを確認し、閉会した。