ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | Cリスク、156ポイントに=新興国平均下回る=平均株価も過去最高を記録=ドルは2レアル割れへ

Cリスク、156ポイントに=新興国平均下回る=平均株価も過去最高を記録=ドルは2レアル割れへ

2007年4月11日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】サンパウロ市証券取引所は九日、久しぶりに活気が蘇り、カントリー・リスクは一五六ポイントへつけ、初めて新興国平均の一五七ポイントを下回った。国際金融の投資家がブラジルの安定経済を評価し、リスクは累計で今年一九%も下げた。平均株価指数は四万六八五四ポイントで、〇・四五%上昇し過去最高となった。為替は一ドルを二・〇二五レアルとなり、二〇〇一年三月の水準へ戻り、今週中にも二レアルを切る見込みとなった。
 ついに一ドルが今週にも二レアルを切る見込みとなった。中央銀行のメイレーレス総裁は、輸出面から見た為替率を憂慮するとして終日口を閉じている。為替での差損をスプレッド取引の収縮で補う方針を、中銀は明らかにした。
 米国の投資家の間に途上国の資産を買い上げる新しい動きが見えはじめた。不動産投資の陰りは米経済の軟着陸で最悪事態を避けたと解し、ブラジルはこの動きを好感したようだ。平均株価指数とカントリー・リスク、外国為替が一斉に反応した。
 金融界は米経済の陰りを憂慮していたが、国際経済への影響は心配した程ではないとする見方で安堵した。米経済は懸念していたより堅牢であり、日本を始め中国やEUの経済も順調である。これで国際経済は五年連続の右肩上がり維持とみられる。
 国際経済環境の影響を受けて、国内投資家も元気を取り戻した。ブラジル地理統計院(IBGE)の国内総生産(GDP)発表後、支払能力が向上している。これは政府の債務決済が非常に良い条件下で行われていることを意味する。
 一ドルが二レアルを切るということは、全員が頭の切り替えをする必要があるということ。外国にある借金の決済には絶好のチャンスが訪れた。しかし、米国はインフレ再来の可能性があるので、動向を見極める必要がある。
 ブラジルの金融市場は、青菜に塩であった一カ月前と較べるとウソのようだ。米国の不動産株の暴落に始まったパニックが、インターネットでポップコーンのように弾けた。それ以後、冬到来を告げる北風も止んだようだ。
 朗報一号は、米国で十八万人の労働者が就職したニュースであった。ちっぽけな自動車レースの入場券でも十八万枚以上売れるのに、十八万人の就職は景気回復の起爆剤になった。株価指数が過去最高というのも、バイアグラ位の効果があったと思える。
 ブラジルのカントリー・リスクは〇二年九月の二二四四ポイントが史上最高記録であった。ルーラ政権の可能性が大となり、ブラジル経済はメチャクチャになるという予測であった。それからは予想に反し、ブラジルは信用を回復した。市場価格は現実の基礎条件を反映しないものだ。
 ブラジルの外貨準備高は一一〇〇億ドルとなり、モラトリアムは死語になった。二十年前は一〇・二八%の利子を払わないと外資を調達できなかったのに、今はたった五・八%で借りられる。ブラジルは時代が一変したのだ。いつまでも昔と同じ考え方で、泣き言ばかりをいう愚は止めようではないか。