2007年4月11日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三月十八日】大サンパウロ市圏の企業が、サンパウロ州地方部または他州への移転ブームを巻き起こしている。理由はコスト削減と増産にともなう工場用地の確保、生産に便利な物流事情、サンパウロ市の交通渋滞からの逃避など。過去四年間にサンパウロ州の生産は、半分が地方へ移った。
サンパウロ州地方部のGDP(国内総生産)は現在、一三五九億ドルに達し、チリのGDP一二一〇億ドルを一二%凌駕している。地方都市で魅力的なのが、カンピーナスとソロカバ、サントス、サンジョゼ・ドス・カンポスを結ぶ半径一五〇キロメートル以内である。
サンパウロ州は過去四年間に四五〇万人の雇用創出があった。その内六四・四%は、地方の雇用であった。
サンパウロ市は狭い工場内に工作機械をビッシリ設置し、部品や半完成品の移動に支障を来たしていた。このような条件下でライバル社と競争するのは、苦しかった。移転は中小企業ばかりでなく、大企業でも生産性本部と技術開発本部を地方へ移す傾向がある。
金属加工業だけで最近、五〇〇社がサンパウロ市脱出を敢行し、サンパウロ市は二万二〇〇〇の職場が減った。どの加工業も移転後、多くの市から不動産税(IPTU)を二十年間免除され設備投資へ回した。増設中はサービス税(ISS)も免除された。サンパウロ市はIPTUが高いのが重荷であった。