2007年4月12日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】調査機関のCNT/Sensusは十日、第二次政権一〇〇日目を迎えたルーラ大統領が、数々の行政トラブルを起こしながらも国民から好評を得ていると発表した。航空管制トラブルや犯罪組織州都第一コマンド(PCC)の跋扈(ばっこ)などで混迷する中、国民の大統領評価が六三・七%、政府評価が四九・五%と大きな期待を掛けられ、労働者党(PT)政権発足以降五一カ月で三番目の好結果となった。第二次政権は第一次より良いが、五四・八%であった。
ルーラ大統領のイメージは、生活扶助金をバラまいたお陰で失政をご破算にし、さらにツリが来そうだ。大統領の説得力は抜群。政府を動かしているのは大統領ではないのに、国民は大統領様々である。
調査は無作為で二〇〇〇人に対して行った。回答者の一五・三%は何らかの生活扶助を受けている。四一・五%は扶助制度があることを知っている。四〇・七%は制度を知らないし扶助を受けていない。しかし、調査の実施毎に、大統領と政策評価の結果が好転を物語っている。
「ルーラ大統領を評価する」は二〇〇五年十一月に四六・七%であった。それが〇六年二月には五三・五%へ伸びた。さらに同年五月は五五・八%、同八月は五九・三%へ。今回は六三・七%へ伸びた。
「経済活性化法案(PAC)を知っている、聞いたことがある」は三二・二%。「聞いたことがない、知らない」が六七・九%。航空管制パニックは、「知っている、聞いたことがある」は八二%、「知らない」は一八・一%。誰の責任かは、政府が二五・八%。管制官が一五・一%。ルーラ大統領の支持層は、PACも空港トラブルも余り関係のない人が多いようだ。
否定的な調査結果もある。就職戦線は好転が二九・七%、悪化が三五・五%。月収は好転が二〇・三%、悪化が二八・四%。医療の対応は好転が二三・八%、悪化が四六・一%。政権への期待は淡い願望で、現実は不満タラタラであることが伺える。
治安については回答者十人のうち九人、九〇・九%が「悪化した」と答えた。責任は連邦政府が二九・九%、州政府が一六・七%、恐怖感を覚える対象は犯罪者が七一・七%、軍警が二〇%。犯罪の原因は貧困が二四・一%、司法制度の不備が一九・一%、麻薬取引が一九%、欠陥法が一五%、警察官の汚職が一一%などとなっている。
教育や医療、治安、就職、所得の行政に関する調査結果は決して良くない。大統領個人の評価と現実が全くかけ離れ、いつどんでん返しが起きてもおかしくない。これはルーラ大統領のカリスマ性か、大統領再選の余韻かである。
下院の政治倫理委員会が、国民の熱狂的な歓呼は秋の天気のようなものとしている。同委員会は八日、灰色議員の再選へくさびを打ち込む「ゲームとなった政治と小細工」と題する声明を発表した。世論調査による政策評価は上々であるが、一枚皮を剥けば奈落の地獄が口を開けて待っている。