2007年4月13日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】サンパウロ市で市民の平均二〇%が飲酒運転をしており、世界平均の二%の一〇倍に達していることが、調査で明らかになった。
サンパウロ連邦大学(UNIFESP)の研究グループが先月、サンパウロ市内でバールやレストランが集中するヴィラ・マダレナ(西部)、ヴィラ・オリンピア、モエマ、インテルラーゴ(いずれも南部)、タトゥアッペ、モッカ(東部)、サンターナ(北部)の各区で、一九〇一人を対象に風船によるアルコール検出機および聞き取り調査を行った。
それによると、二〇%が飲酒後自家用車で、いわゆる酔っ払い運転で帰宅していると答えた。そのうち六四%が男性で、六九%が十八歳から三十歳までの年齢層、六六%が独身だった。この二〇%は法で定められている飲酒運転違反のアルコール検出量の〇・〇六グラム/DL以上であり、これ以下の酒気帯び運転に類する人は七・八%だった。これにより一杯飲んで運転する人は計二七・八%となった。
研究グループによると、サンパウロ市では年間一五〇〇人が交通事故で命を落としており、この半数が運転者あるいは歩行者の飲酒が原因だという。そのためには交通道徳の徹底が必要で、その取締官の不足が挙げられている。違反者の摘発や罰金は二の次で、マナーを重視しない運転者を放置せずに公道から追い出すのが不可欠だと指摘している。
しかし、いっぽうで、ブラジルでは飲酒運転の取締に決め手がなく、野放しになっているのが現状だ。現行犯摘発には外国で実施されている風船によるアルコール検知が必要だが、ブラジルの法律では人道上から強制はできず、運転者はこれを拒否する権利を有している。
法で禁止されている飲酒運転の血液中のアルコール度は〇・〇六グラム/DL以上でウイスキーをコップ一杯、ワインは二杯、生ビール(中ジョッキ)二杯が目安となっている。これを過ぎるとリスク感がなくなり、信号無視などの大胆な行為になったり、距離感が失われ、反射神経が鈍くなるなどして事故につながる。