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連警、賭博マフィアを摘発=リオ=容疑者25人逮捕=州高裁判事や弁護士関与か=押収書類は2トンにも

2007年4月17日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】連邦警察は十五日、ハリケーン作戦で押収した関係書類から、賭博マフィアのコネクションがスロットマシンなど広い範囲に浸透していることを突き止めた。リオデジャネイロ州の他に、これまで捜査の手が入ったことがないサンパウロ州や首都でも大規模に活動していることが判明した。容疑者二十五人とマフィアと癒着した司法官、警察署長らは十二日、ブラジリアの連警本部へ身柄を移送された。マフィアの会計帳簿や予定表、機器管理の状況を記録した書類やファイルは、二回にわたって空輸された。
 空輸した押収書類は二トンにも及んだ。これで賭博に絡んだ司法官や治安当局者の汚職組織が解明されることになりそうだ。連警は司法関係で同疑惑に関与した裁判官が、さらに多数いるとみている。まず、サンパウロ州と首都の犯罪組織網の洗い出しから始める。
 連警の手がかりは、賭博関係者の日程予定表である。容疑者らは十四日、リオでの取り調べに際して黙秘権を行使、一切しゃべらなかった。十五日は警察署長らを取り調べたが、同様に黙秘を貫いた。それで身柄を連警本部へ移した。十六日は、賭博マフィアと警察署長の取り調べが行われる。
 物件や書類押収の様子はテレビで実況中継されたが、偽装壁や秘密の部屋などで周到に隠ぺいされていた。書類棚やロッカーの奥は、秘密の部屋へ通じる通路になっていた。陳列品を配したモザイク壁は、偽装壁になっていた。
 ブラジル弁護士会(OAB)は、マフィアと関係した弁護士五人と州高等裁判事と実弟、連警関係者をブラックリストへ記載する。弁護士らはOABによって資格の審理が行われる。
 身柄を拘束されたリオデジャネイロ州高等裁のジョゼ・R・レゲイラ、ジョゼ・E・アウヴィン両判事は、最高裁へ弁明の受理を申請した。最高裁のペルーゾ判事が十六日、弁明受理の可否と上級留置所への移動を決定する。
 賭博マフィアの弁護士らは、OABから抗弁の機会も与えられずに資格のはく奪対象とされたことで、同会を告訴するという。同弁護士らは十五日、マフィアの顧客との面会を拒絶されたことで連警へ抗議した。
 連警広報部にはひんぱんに脅迫電話が入るが、全ては法律の範囲だと平然としている。高裁判事の顧問弁護士は、門前払いをされて本人に面会ができずにいる。リオ州サンバ協会会長は、ジェンロ法相に直接掛け合うと息巻いている。
 高裁判事の身柄拘束は間違った拘束令状であり、執行は連警の落ち度だと弁護士が訴えた。悪意による陥穽(かんせい)で連警の手に一度落ちると、人間扱いされない。当局は辱めることに快感を覚えるらしい。判事拘束に赴いた軍警大佐は、命令通りに拘束しただけで、誰が何か全く知らないとうそぶいている。
 拘束された容疑者の高級乗用車五十一台も没収され、ブラジリアへ搬送された。総額にして一〇〇〇万レアルとされる。押収品は紙幣が一〇〇〇万レアル。小切手が五〇〇万レアル。外貨が三〇万ドルと四〇万ポンド、三万四〇〇〇ユーロ。他に貴金属など。