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〝トップ不在〟続く文協選挙=高木氏にシャッパ一任!?=GASは上原氏を擁立か

2007年4月17日付け

 シャッパ提出期限を明日に控え、文協選挙の空模様はいまだ曇天――。
 十四日には、「しんせいきのかい」が第一候補に上げる高木ラウル氏を囲んで、〃決起集会〃をリベルダーデ区内のホテルで開き、小川派を含めた約五十人が集まった。
 高木氏はこの会合で文協改革に関する具体案を話し、立候補に意欲を示しながらも、「統一シャッパであることが条件」と強調している。
 「しんせい―」の幹部によれば、すでに高木氏にシャッパの人選を一任しているという。
 なお、「しんせい―」は今月初めに、選挙後も文協に意見の提案、問題の討議などを行うコミッソンを会内部に組織、メンバーは、小山昭朗、徳力啓三、中沢宏一、羽田宗義、五十嵐司、諸川有朋の六氏が選ばれている。
 一方、渡部和夫氏を中心に選挙対策を練るGASは、十三、十五の両日に会合を開いている。しかし、参集したのが少人数のため、十分な討議ができなかったとして、十六日夜に再度の会合を開く。
 関係筋によれば、唯一の全派を束ねる会長候補とされる大原毅氏の立候補受諾は「絶望的」だという。
 渡部氏は、「会長が全責任を負うような雰囲気の体制に問題があるのでは」と指摘し、「新理事会には百周年同様、〃執行委員会〃のような組織作りが必要になってくるのでは」と個人的見解を示しながらも、定款上の問題などから、「理解されるのは難しいだろう」と話す。
 統一シャッパを条件とする高木氏との連立をGASが認めなければ、再度上原氏を擁立する可能性も渡部氏は否定しない。
 そのうえで、副会長ほか理事の人事権の大部分を「しんせい―」側に委ねるというシナリオも。
 しかし、あくまで反上原を標榜する「しんせい―」がこれを受ける可能性は低いと見ていい。
 もし、六十五評議員をおさえているとされるGASが上原体制続投の独自シャッパを出し、高木氏が下りれば、「大山鳴動して―」という結果もありえる。
 上原氏は続投の可能性について十六日の電話取材に「誰かが出るでしょう。出来るだけ統一シャッパにしたいと思っていますが…。話し合っているところです。心配です。はっきり返事できれば、いいのですが今は何も言えない状態」と明言を避け、同日夜に予定されているGASの会合への出席も明らかにしなかった。
 今回の文協選挙の事態収拾に思案投げ首する渡部氏を最後の立役者、とする一部読者の声もある。
 サンパウロ近郊に住む一世読者は、「四年前からの文協改革にあたった渡部氏に今回の責任はある。その一端どころか、上原氏を立てた全責任を負うべき」と〃渡部待望論〃を期待する。
 秒読み段階となった十七日午前、高木氏はリベルダーデ区のホテルで記者会見を行う予定だ。
 なお、一部日系組織の幹部がGAS派評議員に対し、高木氏出馬をけん制する電話攻勢をかけているとの情報もあり、状況は混乱の様相を呈し始めている。