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再び三つ巴の争いか=文協選挙=シャッパ統一は不調に=今日午後5時半締め切り

2007年4月18日付け

 統一シャッパの夢、潰える―――!? 今日十八日午後五時半の文協会長選挙シャッパ締め切りを受け、十七日午後、GASの渡部和夫氏と「しんせいきのかい」の小山昭朗氏が調整に入ったが、交渉は決裂、統一シャッパ実現は困難な状態に陥った。これを踏まえ、小川彰夫氏はすでに人選を終えている独自シャッパでの出馬の可能性も示唆しており、三つ巴の戦いという最悪のシナリオが浮上してきた。「しんせい―」が会長候補に推す高木ラウル氏は十七日午前、緊急記者会見を開き、統一シャッパを前提に立候補宣言を行った。この混沌とした状況のなか、高木、小川両氏の動向が注目される。GASは十七日夜、最終的な調整を行うという。
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 渡部氏が十七日の会合で提案したシャッパは、会長に上原幸啓、副会長には、栢野定雄、多羅間俊彦、桂川富夫、重田エルゾ、小林ヴィットル、田中エミリアの六人。
 ただ一人の副会長の人選を「しんせい―」に委ねており、専任理事には花城アナクレット、会計理事に清水オリジオを挙げている。
 そのうえで、「今回の混乱の理由は、会長の責務が重大であること」を理由に選挙後、定款改正を念頭に、上原会長を名誉会長、四副会長(Coordenadores do colegiado)による合議制を提案している。
 小山氏は「馬鹿にしている。統一シャッパを作るという意思が全く感じられない。こちらが立てた高木氏に触れないのもどうか」と声を荒げる。高木氏を会長とすることのみを主張、統一シャッパに向け、譲歩を重ねてきただけに、悔しさが募る。
 会合後、「しんせい―」は緊急会議を開き、この提案に対し、「検討するに値しない内容」と断じた。統一シャッパを前提に出馬表明した高木氏を説得、独自シャッパ提出も含めた話し合いを続ける予定だ。
 小川氏には十六日朝、GASの桂川富夫氏から、連立の打診があったが、上原続投を理由に申し出を蹴っている。
 「反上原は三十五人いるが、高木氏を推すなら五人」と自派に関して説明しており、連立の可能性はあるのか、「しんせい―」の判断が待たれる。
 小川氏は、独自のシャッパを提出する可能性も否定しておらず、三派が出揃えば、決選投票に突入する可能性も否定できない。
 ニッケイ新聞が入手した情報によると、小川シャッパの陣容は、篠又幸市郎(元文協副会長)、赤間アントニオ晃平(赤間学院理事長)、池崎博文(池崎商会会長)、小原彰(元陸軍少将)、田中洋典(元百周年協会祭典委員長)、杓田美代子(現文協副会長)ら(順不同、敬称略)の名前が挙がっているようだ。
 高木氏は十七日午前の記者会見で「評議員選挙で最多得票したこと」を立候補の意思を固めた最大の理由とし、「統一シャッパであることが第一」と条件をつけた。
 新聞社の社長であることが一部で批判の的になっていることに関し、編集権にはタッチしないことを強調した。
 シャッパの人選には、谷広海氏を副会長候補に真っ先に挙げ、文協改革の具体的構想についても言及した。