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共同宣言採択に至らず=南米エネルギー会議=後日、意見調整へ=ガスOPECで伯ベネ対立

2007年4月19日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】二日間にわたりベネズエラで開かれた南米エネルギー会議が十七日に閉幕したが、表面上の友好的姿勢とは裏腹に各国首脳の足並みが乱れ、結局共同宣言の採択には至らなかった。共同宣言は後日エクアドルに各国代表団が集まり、意見調整の後、発表されることになった。
 今回が第一回目となる会議では、反米意識に立ったベネズエラのチャベス大統領が南米に指導力を誇示する、いわゆるチャベス・イズムを後押しするボリビアとアルゼンチンに対し、ブラジル側が反発する構図が浮き彫りとなった。
 会議第一日目ではベネズエラとボリビア両国がエタノール生産に関し規制を設けることを提案、明らかにブラジルのエタノール生産と技術改良に水をさす態度を示したのに続き(結局はブラジルの猛反発で取り下げた形となった)、第二日目の会議冒頭で両国から南米での天然ガスのカルテル結成が提案された。
 このカルテルは石油産油国が結成しているOPEC(石油輸出国機構)同様に加盟国で一枚岩を結成しようというもの。これを発表するに当り両国は、ブラジルも賛同しており南米諸国の総意だと唱いあげたためルーラ大統領が猛反発、「寝耳に水だ」として反対の意を表明した。
 その上でルーラ大統領は、エタノール問題に続く「ガスOPEC」設立はチャベス大統領の先走りだとして、下準備の話し合いが必要だと批判し、はからずも南米のリーダを目指す両大統領の敵対が表面化した形となった。
 これに対しボリビアのエネルギー大臣は、ガスの共同体を結成することで価格の安定、生産効率、技術改良、輸送問題の改善ができると強調しているが、ブラジルのアモリン外相は、かかる会議で決着をつける問題ではないと決めつけた。