2007年4月19日付け
NHK学園の選者、倉田紘文さんとその講習生二十三人が俳句で交流を深めようと来伯し、十六日午後一時半から文協展示室で合同句会が開催された。ブラジル側からは愛好者ら八十二人が参加し、お互いの作品を批評しあいながら三時間半にわたってなごやかに親交した。
NHK学園とは、同放送局の俳句番組の一つで、その一環として海外の愛好者との交流ツアーを行っている。ブラジルにきて、あわせて百人以上集まった合同句会はこれが初めて。
事前に全員が各二句ずつ兼題句を提出しており、二百三十六句(欠席者の分を含め)の中から、自分が気に入った句を一人三句選んで集計した。
倉田講師の特選句は次の五句。「吾が柩欄で埋めよと白寿翁」「鬼蓮の花の一輪は淋しそう」「千の風父母の来さるる星月夜」「秋灯を消して一人の闇となる」に加え、特に一番気に入った句が「一病を友に老いけり花アロエ」だった。これは「病気を持つより、逆に病気を一つ持っておきなさい、そうすれば身体を気を付ける心がでてくる」という意味。
倉田さんは「十年前からブラジルに行きたかった。今回その願いが叶い、俳句を通じ日伯交流ができたことを嬉しく思います」と笑顔で感想をのべた。
「ブラジルで二度とできない体験ができ、とても良い機会だった」と話すのは、日本からの講習生の藤井淳子さん。
サンパウロ在住の加藤淑子さんは「とても良い交流ができて嬉しい。今年だけでなく、来年も続けてほしい」と要望した。
講習生ら二十五人は四月九日にブラジルに着き、イグアスの滝、アマゾン、マナウスを観光し、十七日に帰路についた。