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賭博マフィア=外国で口座を発見=残高1千万ドル余=営業許可の謝礼を違法送金=逮捕者の口座と照合へ

2007年4月20日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】賭博マフィアを資金の流れから探っていた連邦警察は十八日、犯罪組織の銀行口座を外国のタックス・ヘブンで発見した。ハリケーン作戦で逮捕された二十五人の容疑者が関与した口座とされ、うち四人は違法資金を受け取った痕跡が確認された。同口座には約一〇〇〇万ドルの預金残高があり、逮捕者全員の国内口座と照合を行う。連警が押収した二トンの証拠書類の中には、裁判所が謝礼享受をしたという賭博認可の書類が続出、マフィアの広範囲にわたる組織犯罪が俎上に上がった。
 高裁判事の実弟メジナ容疑者の法律事務所には、賭博営業許可の請願書が山となっていた。ここが、裁判所の営業許可を仲介する取次所となっていたようだ。さらにスロットマシン賃貸業の営業許可や、ビンゴの営業許可の取次を仕切った四事務所も俎上に上がった。これら仲介人は、営業許可の謝礼を徴収し、タックス・ヘブンへ送金していた。
 ブラジルと租税協定が結ばれている国の銀行は、口座残高が一〇〇〇万ドルに達するとブラジルの中央銀行へ報告する。賭博マフィアの預金残高が規定額に達したらしい。同口座から支払を受けた受取人の名前も確認した。しかし、最高裁へ渡った書類内容がマスコミへ洩れたことで、内部の情報提供者を連警が追っている。
 連警は裁判所の営業許可販売が組織化されたとみて、ビンゴや賭博以外の許可取り付けでも代理業務が広く浸透しているとみている。しかし、幹部職員六〇〇人の連警ストは、当直を除いてハリケーン作戦を一時中断した。証拠隠滅のチャンスと、犯罪組織には喜ばれている。
 連警は逮捕された二十五人に対する証拠物件が揃ったので未決刑務所へ身柄を移動する。十二日は五日間の身柄勾留であったが、最高裁は五日間の延長を認めた。そのあと未決監送りとなり、判決待ちになる。判事は盲目判許可が販売されたことを知らないという。謝礼は第三者が受け取り、それも知らない。
 高裁判事はほとぼりが冷めたころ、人身保護令を適用され仮釈放になるらしい。判決後は定年退官し、人目を避けて老後を送るようだ。賭博マフィアは、最高裁のグラシエ長官にも魔手を伸ばしていた。判事の実弟は同最高裁長官の側近であることを、賭博マフィアに示唆していた。
 オザスコのスナックは、一斉にスロットマシンの電源を切り、奥へ隠した。シール販売の報道で、急きょシールをはがして当局の監督から逃れろとの賃貸業者の命令である。電源が切ってあれば、警察がガラクタ扱いにするらしい。サンパウロ市イタイン区の高級ビンゴ・ローヤレは無許可で営業していたと、市は入り口にレンガを積み上げ、同所を閉鎖した。
 賭博マフィアはジルセウ前官房長官の側近ワウドミロ・ジニス氏に接近し、連警によって解散させられた経緯がある。これらの賭博マフィアが再度、ハリケーン作戦に浮上した。その一つBetecは、高裁のアウヴィン判事を抱きこんでいた。同判事も現在、拘束中。賭博マフィアは雑草のように踏みつけられ死にかけても、すぐに息を吹き返し復活する生命力がある。