2007年4月21日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】サンパウロ市地下鉄のラッシュアワー時の平均速度が昨年、二〇〇五年比で一〇%低下し、乗客のイライラを募らせている。
〇五年から〇六年にかけて平均速度は、一号(青)線が時速三〇キロから二八キロ、二号(緑)線が三五キロから三二キロ、三号(赤)線が三九キロから三五キロ、五号(紫)線は四二キロから四一キロへと低下した。三号線は〇二年のレベルにまで逆戻りした。
平均速度が落ちた原因は、乗客が増加したのに運行する車両の数が変わらないためとみられる。昨年は一日当り二十四万七〇〇〇人の乗客が前年比で増えた。乗客が混雑した車内にムリに乗車しようとして車両のドアが閉まらなくなり、列車がホームで立ち往生して後続の列車がさらに遅れる悪循環が発生している。二号線は昨年延伸工事が終わって新しく二駅が開業したが、運行する車両の数はそのままで、夕方のラッシュ時の運行間隔は九秒伸びた。
交通が専門のワイスマン・サンパウロ総合大学教授は、車両の中には三十年以上使用されているものがあり、故障が起きやすい上、加速・減速性能が悪く、スピードアップが困難な点も指摘している。
サンパウロ市地下鉄のフィオラッチ運行部長は、今後三年以内に信号システムの交換と、三三編成の新導入により、列車のスピードアップと運行間隔の縮小を実現し、混雑を緩和できると述べた。また、車内へのエアコン、テレビ、監視カメラの設置や、座席を減らしてスペースを広げることで乗客の快適さを向上させる計画を明らかにした。