2007年4月25日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十七日、ポリチカ・エステルナ誌四月号】来聖した米大統領の実弟で前フロリダ州知事のジェブ・ブッシュ氏が十七日、ベネズエラのチャベス大統領がエタノールは先進国のみを利するという批判に反論した。イランの核開発に関する国連決議が無視され、ホルムズ海峡の封鎖を懸念する国々がエタノールに注目し始めた。
同氏はロドリゲス前農相や米州開発銀行(IDB)頭取、コロンビア政府のモレーノ代表との間で合意した米州エタノール開発計画の具体化で来伯した。キューバとベネズエラは、伯米エタノール協定に対する態度を一カ月の間に急変させた。背後でベネズエラへ戦略同盟を働きかけるイラン政府の思惑が絡んでいるとみられる。
同氏は米議会の野党がエタノール関税に固執し、エタノール市場の発展を妨げていると述べた。米国はブラジル産エタノールに対し二・五%の関税を課した上、リットル当たり〇・一四ドルの課徴金を徴収する。同関税と課徴金の廃止是非は、議会の一存にかかっているという。
同氏の見解では二〇〇八年にエタノール関税は減税される。その後エタノールの将来性を見越し、関税廃止の方向へ進むとみている。米国はベネズエラの原油を輸入するが、敵対する国へのエネルギー依存を縮小するという。また環境保護の見地からも、エタノールの重要性を認めた。
エタノール市場は、需給関係からみて五年以内に規模を倍増しなければならない。さとうきび畑に就労する労働者は、ブラジルや中米でも同じような過酷な労働条件下で働いている。これも検討の余地がある。米国民のほとんどは、ブラジル産エタノールに関税を課していることを知らない。
エタノールは環境に優しいばかりでなく、イランに始まる中東情勢が絡んでいることを米国民は薄々感じている。ブラジルのエタノール生産者も、ホルムズ海峡の動向次第でコモディテイ市場が連動することが分かった。