2007年4月25日付け
全国で一億ヘクタールあるという牧場に、サトウキビ攻勢が始まった。三分に牛一頭分の牧場が消える。これは牛のメッカといわれ、カウボーイ祭りで有名なバッレトス地方で起きている現象だ。ルーラ・ブッシュのエタノール協定が動き出した。ネローレ種の白いシルエットは消え、サトウキビの緑で地平線の彼方まで覆われている。
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往年の牧畜王たちが、サトウキビ王へ変更している。このインパクトは、ブラジルの将来に何をもたらすのか。生産者の作物変更は珍しいことではないが、急変は異常としか思えないと経済学者が首をかしげる。エタノールの現行価格はいつまで続くのか。それを占うのが、中東情勢らしい。日本はフランスから大量のエタノールを輸入した。旧植民地産のエタノールらしい。
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ポリチカ・エステルナ誌は、イランからイラク、シリア、レバノン経由でヒズボラに至る物資の輸送ルートが実現しつつあることに注目している。キャンプ・デービットの伯米首脳会談で、中東情勢に備えた米戦略の一端としてブラジルはエタノール係りを承ったらしい。