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坂口陞氏が死去=森林農業の推進者

2007年4月26日付け

 パラー州トメ・アスー移住地で農場を経営する坂口陞(さかぐち・のぼる)さん(74)が、宿泊先の東京農大会館で死去していたことが二十五日分かった。
 坂口さんは二十二日に来聖後、同会館に宿泊していたが、二十三日夜、他の宿泊者が部屋のベッドで亡くなっているのを発見。警察に通報した。死因は不明。警察では自然死と判断しているという。家族がサンパウロに向かっており、遺体は近日中に運ばれる予定。葬儀の日時等は不明。
 和歌山県出身。東京農業大学林学科を卒業後、一九五七年三月、二十三歳でトメ・アスー移住地に入植した。同大学が進めた戦後ブラジル移住の第一号として移住した〃軍艦組〃の一人。ブラジル東京農大会では先月、ベレンで農大生北伯移住五十周年を祝ったばかりだった。
 七〇年代に同地の基幹作物であるピメンタが病害を受けた際には、トメ・アスー農業振興組合の理事として、代替作物としてカカオの栽培を普及して負債軽減に尽力。その後も自身の農場で熱帯性果物やコショウなどを混植することで持続的な農業をめざす「森林農業」を推進した。
 北伯農大会初代会長。浄土真宗の法務使としてトメ・アスー西本願寺代表もつとめていた。