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賭博マフィアの追及続く=22人立件の見通し=弁護士が組織と判事取り持つ

2007年4月27日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】ビンゴやスロットマシンなどの賭博に絡んで不正資金を入手していた組織を摘発するハリケーン作戦を展開している連邦警察は、それに関連して業者や企業に便宜を計っていた司法関係者を起訴に追い込むべく追及を続けている。
 これらの司法関係者は賭博業者に便宜を計ったり、判決を有利にしていた判事らも含め、容疑者は四十三人に上っている。しかし連邦高裁は身柄拘束を拒否していた。連警はこれに対し、少なくとも二十二人の物証が固まったことで立件できるとして起訴に持ち込む方針で、その後で残りの容疑者も追及するとの意向を示している。
 連警によると、司法関係者と業者の癒着(ゆちゃく)の総元締で核心となっているのが弁護士のパルド容疑者で、判事などとの密接なコネクションが明るみになっているという。同容疑者は二〇〇三年に私企業がIPIクレジットの支払いを免除する判決を下したアウダ・バスト判事との仲介を取り持ったのが発端で、その後も司法関係者とくに判事に取り入り、不正資金を授与していた。
 同弁護士はビンゴ営業許可の取得や判決を有利にするため、偽造売上伝票を発行して仲介料を徴収していた。また企業の弁護や仲介の傍ら、MSゲームの共営者としてビンゴを営み、テコンドー(韓国発祥の格闘技)連盟の後押しをした。
 この関係でゴールドコイン社と提携、サンベルナルド・ド・カンポ市の倉庫に七〇〇〇台のスロットマシンを保有していた。この機械は十三日、連警のハリケーン作戦で押収された。同弁護士は同社のビンゴ営業を許可した判事にも取り入り、司法界のロビイストとして利用していた。
 いっぽうで連警は二十五日、一連の捜査に関する連警と関係者の電話を盗聴し、組織に情報を流していた市警を逮捕した。市警はこれまで役職を利用して度々盗聴にたずさわっており、電話局とのコネを利用し無断で盗聴していた。市警は犯行を認めており、司法取引で全容を明らかにすることに同意したという。