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刑法適用年齢引き下げ承認=上院CCJ=与党の足並み乱れ
2007年4月28日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十七日】上院憲法・法務委員会(CCJ)は二十六日、刑法適用年齢の十八歳から十六歳への引き下げを定めた法案を賛成十二、反対十で承認した。
適用対象となる犯罪は、麻薬密売、拷問、テロ行為、重犯罪(殺人、誘拐、強姦、強盗殺人)。十六歳未満の少年については、犯罪の違法性を理解する能力を有するとした報告書を基に裁判官が必要と判断した場合のみ、身柄を拘束される。また、十六歳以上十八歳未満の少年を収容する場合には、十八歳以上の者から隔離することも法案に盛り込まれている。
現在は、十八歳以上が刑法適用の対象で、十二歳以上十八歳未満の少年は最高三年間の社会教育を受けることになっている。
今後、法案は上院本会議で二回採決が行われ、六〇%(四十九人)の賛成で可決されれば、下院に回される。政府は本会議で同法案の修正を提案し、CCJに差し戻して承認を遅らせる考え。与党三党(労働者党、ブラジル労働党、ブラジル社会党)は委員会での承認を阻止できると踏んでいたが、与党ブラジル民主運動党の議員四人と民主労働党の議員一人が賛成に回り、目論見は外れた。
大統領を始め同法案に反対する者は、個人の人権を侵害する、成長過程にある少年は特別の配慮を受ける必要がある、少年の社会復帰が困難になることを理由に挙げ、犯罪組織がさらに若い少年を取り込むことになり、結局犯罪は減らないとしている。