2007年4月28日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】北東部と北部地方の消費が爆発的な伸びを見せたことで今、注目を浴びている。数年前までは極貧の代名詞的存在だったが、その汚名を返上して今年は経済成長の中心に位置するとみられている。市場関係者は今年、この両地方の消費総額が一一七六億ドルに達すると見積もっており、過去五年間に出回った総額を七〇〇億ドルも上回ると指摘している。これは昨年のチリの国内総生産(GDP)をも上回り、この両地方の消費は一国に匹敵すると評している。
市場調査を専門とするターゲット・マーケッテング社がブラジル地理統計院(IBGE)などのデータを基に分析したもので、北東部の消費は二〇〇二年の時点で四八三億ドルだったのに対し、今年の予測は一一七六億ドルで、過去五年間で一四三・五%の伸びとなった。国内全体が三〇九六億ドル(二〇〇二年)から七〇〇七億ドルへと一二六・三%の伸びだったことから、全国平均をはるかに上回った。
北部は一三一億ドルから三八九億ドルと金額的には少ないものの、上昇率は一九六・九%と最高となった。経済の中心地といわれる南東部は一六八九億ドルから三七三一億ドルへと推移し一二〇・九%の上昇だった。
これにより消費の分布地図に変化が生じた。今年の予想ではトップは変わらず南東部の五三・二%だが、北東部が一六・九%と二位に浮上した。三位以下は南部(一六・八%)、中西部(七・六%)、北部(五・五%)となっている。
二〇〇二年のランク順は南東部(五四・五%)、南部(一八・四%)、北東部(一五・六%)、中西部(七・三%)、北部(四・二%)だった。トップと二位が衰退、とくに南部は農産物の不振と為替相場の影響で消費が減少した。
北東部における品目別の消費の伸びは五年間で、自動車が三三〇・五%、住居改修が三〇〇%、衣料が一六二・五%、外食が一〇八・三%となった。
この背景には貧困手当てなどの社会福祉の浸透と、最低賃金の大幅値上げに加えて大企業の現地進出による販売も拍車をかけている。
外食産業のマクドナルドは北東部での売上が三十六カ月連続で上昇、進出した四九店舗すべてが国内平均売上を一ポイント以上上回っている。これらの売上はチリ、ウルグアイ、ペルー全体の売上を上回る勢いを見せている。同店ではさらに一五〇〇万レアルを投資して店舗拡大を図っている。
食品大手のネスレも例外ではなく、バイア州フェイラ・デ・サンタナ市に工場を進出したことで、北東部での売上が倍増した。スーパーのウォル・マートも実績が好調なことで気を良くしている。同店は全国三〇二店舗の三分の一が北東部に集中していることでさらに注力する意向を示している。また同店で販売している二万品目の半分が北東部で生産されていることで、地域活性化に貢献している。
消費の伸びは日用品に限らずぜいたく品にも波及している、化粧品のボチカリオは今年一月から三月まで前年同期比一四・六%の売上増となった。