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盛り上がる農業トップ交流=松岡農水相が2日来伯=エタノール施設の視察に=中川前大臣から続々と

2007年4月28日付け

 世界貿易機関(WTO)関係会合出席などのためにスイスなどへ海外出張する松岡利勝農林水産大臣(衆議院議員、熊本第三区選出)は五月三日に来聖し、バイオエタノール関連施設の視察などを行う。加えて日系団体代表者との懇談会も予定されている。昨年五月と九月に中川昭一農水相(当時)が続けて来伯、今年三月にはゲデス・ピント農牧・食料供給大臣(当時)が訪日したばかり。二年連続、農相が来伯するのは「はじめて」(在聖総領事館)という。エタノールを軸にトップレベルの経済交流が盛り上がりを見せている。
 〇六年五月には、中川農水相が現職閣僚としては小渕外務大臣以来八年振り、農相としては二十四年ぶりにブラジルを公式訪問した。
 サンパウロ市も訪れ、北海道協会ほか日系団体との会合に参加、さらにブラジル日本商工会議所の幹部とも懇談した。ロドリゲス農相(当時)と会談を行い、中川大臣から今後日本・ブラジル農業大臣会合を毎年開催することを提案し、ロドリゲス大臣もこれに同意した。
 その後、WTOの新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)再開を目指し、有力発展途上国グループ(G20)の閣僚級会合が九月上旬、リオで二日間行われた時も中川大臣は参加した。
 さらに今年三月、ゲデス・ピント農相(当時)が訪日し、一連の交渉や視察を行い、甘利明経産相、松岡利勝農水相ら日本側エタノール関係のトップと立て続けに懇談し、バイオ燃料のセミナーで講演。千葉の幕張メッセで開催中だった、アジア最大の食品見本市FOODEX2007のブラジルブースも視察した。
 今回、松岡農水相はWTO関係会合出席のために二十八日に離日し、フランス、スイス、アルゼンチン、ブラジル、米国を訪問する。帰国は五月六日。ブエノスアイレスでも日系団体代表と顔を会わすほか、二、三両日に滞聖する。
 サンパウロ市では二日晩に、在聖総領事公邸で日系五団体代表に加え、熊本県文化交流協会の福田康雄会長らと懇談する。翌朝にも熊本県人関係者ら七人と合う予定だ。さらにエタノール関連施設の、ホンダのフレックス車生産工場を視察し、バイオ燃料活用に関する意見交換を行ったあと、米国シカゴへ出発する。
 すでに二回会ったことがあるという福田会長は「とても気さくな人です。お会いできるのを楽しみにしています」という。「来年の移民百周年と県人会創立五十周年への理解をもとめたい」と考えている。