2007年5月1日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四月二十九日】エタノールの生産拡大を背景にサトウキビ栽培も増加する中、収穫作業員らはますます過酷な労働を強いられ、労働可能年数が奴隷とほぼ同じになるほど短くなっている。
サンパウロ州立大学(Unesp)のシウヴァ教授は、一九八〇年代と九〇年代に十五年だった作業員の労働可能年数が、二〇〇〇年以降約十二年に短くなったことを調査で明らかにした。歴史家のゴレンデル氏によると、アフリカでの奴隷取引が禁止される一八五〇年以前、農業に従事する奴隷の労働可能年数は十年から十二年で、禁止後は所有者らが奴隷の扱いを改善したため、十五年から二十年に伸びたという。
収穫作業員は生産性を高めるため、一日に一五トンもの収穫を強いられることがある。歩く距離は八キロから九キロに上り、過労による脊椎や足腰への負担から、健康上深刻な問題を引き起こしている。サンパウロ州では〇四年以降十九人以上が過労死したとみられる。また、重労働から作業員の低年齢化が進み、十八歳未満の作業員も登場している。
サトウキビ工業連合(Unica)は、外部委託の廃止や社会保障制度の整った正規雇用の推進など、サトウキビ生産企業が作業員の置かれた状況を改善するための措置を取り始めているとし、小規模生産者のグループ化と栽培の大規模化により収穫作業の機械化も今後進んでいくとみている。