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コラム 樹海

2007年5月1日付け

 きょう5月1日は「メ―デ―」。国際的な労働者の祭典であり、大規模なデモが繰り広げられ、時として政治的な抗議集会になったりもする。働く人の権利を主張するので社会主義国家から始まったと勘違いする向きが多い。だが、発祥の地はアメリカなのだ。1886年5月1日にシカゴの労働者らが「8時間は働き、8時間は睡眠、俺たちがやりたいことに8時間」の要求を掲げてストライキに入ったので「メ―デ―」と呼ぶ▼勿論、資本家からの反対も強く、多くの弾圧もあったし、労組の指導者は死刑に処せられたりもした。当時は10時間労働が普通であり、13時間も釘付けにされ働くことを義務付けられた人々もいたのでる。従って「8時間労働」の意義は大きく、アメリカの労働者と連帯し欧州や南米などにも「五月1日」は定着し,1919年のILO第1回総会で「1日に8時間」が決定する▼この翌年に東京・上野公園に1万人が集まったのが日本初の「メ―デ―」だが、昭和に入り軍国主義が権力を握ると弾圧が繰り返され、目ぼしい成果を上げるのは困難になって行く。むしろ、戦後になってから活発になり、労働運動の枠を超えた政治的な色彩が極めて強くなって「血のメ―デ―」が起こり、過激な労働攻勢に批判の声も▼昭和27年5月1日の皇居前デモでは学生と都職員の2人が死亡し1500人が負傷と混乱は酷かった。このため「血のメ―デ―」とされる。だが、皇居前広場を「人民広場にせよ」と政治的な主張が幅を効かせたのも事実であり、静かなメ―デ―になるのは、平成まで待たねばならなかった―のでる。(遯)