労組と政府の共闘宣言=メーデー=批判なく平穏に幕=不満があるなら直談判=労相と下院議長出席
2007年5月3日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】二〇〇七年のメーデー大会は一日、中央統一労組(CUT)とフォルサ・シンジカル(全労協)の音頭でルーラ政権との蜜月時代を宣言して閉幕した。集会は二カ所で開催されてそれぞれ一〇〇万人を集め、ルッピ労相とキナリア下院議長も出席し、政府批判はなく平穏に終了した。大統領の地元サンベルナルド・ド・カンポ市で行われた恒例の抗議集会は、御大の出席がないままミサで締めくくり、マラゴン司祭が失業問題に抵触しただけであった。
伝統的な政府批判の舞台であったメーデーは、労組と政府の共闘を宣言し、労働者政権の時代を示唆した。ルーラ大統領の居城であったCUTは、労働者による最高権力の座獲得を強調。昨年は月の世界を散歩する大統領と批判した全労協理事長のパウロ・P・シウヴァ下議(民主労働党=PDT)は、完全に豹変の呈である。
労組の旗印である、低率経済成長や三・三%の年金調整、労働者所得の調整一・五%に対する批判は、おくびにも出さなかった。同理事長は、労働者が政府に不満を持つなら批判せずに直談判せよと呼びかけた。労相は労働者政権の時代なのに、労働者自身が月の世界を歩いていると述べた。
労働者は過去のポンコツ自動車から公用車に乗り換えたのだと労組は訴えた。労働者は現実を認識していない。メーデーはまだ黄色で赤くない。労組と連立与党が結束して労働者の互恵制度を作り、労組の政治団体格上げを労相が呼びかけた。ブラジルの労組運動はまだ日が当たらない部分が多いという。
全国司教会議(CNBB)は一日、メーデーに寄せて次のような声明を発表した。政府の経済政策は公共債務の利子支払を優先するあまり、労働者の最低生活水準を保持できていない。適切な社会政策が執られていないため、最低賃金で生活する世帯の飢えを癒すための所得の分配が不十分で、富は偏在している。
失業や腰掛け就職、アングラ労働、貧困家庭を支える児童労働は放置され、解決の兆しがない。飢餓を逃れ生き残りに掛ける流民は後を絶たない。政府や司法当局者は無気力で、国家発展に掛ける意欲が皆無。農地改革は農地を分譲するだけで営農指導や物流の配慮がなく、お役所仕事は無責任極まりない。
カサビサンパウロ市長はメーデー集会の席で、ローマ法王ベネネディクト十六世によるフレイ・ガルヴォンの列聖式を十一日、サンパウロ市で実施することを伝えた。法王庁は、ラテン・アメリカから多くの聖職者を募るためブラジルを拠点とした。これが法王来伯の目的という。
ブラジルは労働者党(PT)政権の台頭もさることながら、カトリック教会も宗教の激戦地南米でブラジルを拠点としてテコ入れするらしい。ブラジルには五〇〇年余にわたる伝道の歴史があるが、新教の新興勢力に最近揺さぶられている。
ブラジルでは、旧体制に飽き足りない人たちが宗教や政治で挑戦しているようだ。ローマ法王の来伯は儀礼的な行事ではなく、新しい時代の息吹に応えるものらしい。これまで天下泰平の惰眠をむさぼっていたカトリック教会に活を入れようというのだ。