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住宅ローン提供が過熱=マイホームブーム受け=銀行と建設業界の利益一致

2007年5月3日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】住宅ローンの簡易化と金利引き下げでマイホーム購入がブームとなっていることで、金融機関のローン提供が過熱の傾向を見せている。これにより、専門筋は、現在の住宅ローンは国内総生産(GDP)の二%相当の三九五億レアルとなっているのが、三年後には三倍強の七%相当の一六三〇億レアルに上昇すると予想している。
 政府が先頃、建設業界の不況対策にポウパンサ預金を使用して長期ローンの均一化を許可したことで、住宅購入意欲が高まった。これまでは金利(インフレ)が後で加算され、返済額が不透明となっていた。
 これに昨年末からの金利引き下げが拍車をかけた。これにつれて銀行などの金融機関のローン提供が増加した。銀行は公債の利率が低下したことで妙味がなくなっていた折、住宅ローンへの投資は「渡りに舟」となった。住宅購入者や建設業者(不動産)もローンが不可決だったことから両者の利益は一致した。
 ブラデスコ銀行は金利引き下げ傾向からローンは増加を続けるとし、二〇一四年にはGDPの一二%に相当すると予測している。同行は十日前、二十年間の固定ローンに対し、これまでの年利一四%から一二・五%へと引き下げた。これにより一〇〇件の案件のうち二五件が固定(返済月賦の均一)ローンとなった。それまでは一〇件どまりだった。
 さらに同行は昨年のローンへの融資が二一億レアルだったことから、今年は三〇億レアルを目標としていたが、上方修正を余儀なくされるとの見解を強めている。いっぽうでローン取得までに平均三カ月を要するのが当面の問題で、書類や審査の簡素化でさらに需要は伸びると指摘している。
 業界が活性化しているとはいえ、対GDPに占める割合は世界の中でも低位置になっている。中南米ではメキシコ(九%)、チリ(一三%)の後塵を拝している。世界トップはオランダ(一一一%)で以下順に英国(七三%)、米国(六五%)、アイルランド(五三%)スペイン(四六%)南ア(二〇%)、ポーランド(六%)となっている。