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凶悪殺人犯、施設から脱走=はしご使い塀を乗り越え

2007年5月4日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・オンライン三日】二〇〇三年十一月に大サンパウロ市圏エンブ・グアス市でキャンプしていた男女二人に暴行を加えた後で殺害した男(20)が二日午後六時十五分ごろ、収容されていたサンパウロ市北部ヴィラ・マリア区の少年更生施設から十七歳の少年とともに脱走した。
 しかし、男は三日午前四時三〇分ごろ、フェラス・ダ・ヴァスコンセロス市で警官らに身柄を拘束された。男は同市中心部ブラス区の施設に移送された。
 仲間から死の宣告を受けていたため、男は他の収容者から隔離された安全監房に収容されていた。少年は監房を抜け出した後、高さ六メートルの塀にはしごをかけて乗り越えた。はしごは、安全監房の近くで行われていた改装工事で使われていたもの。
 同施設は警備が最も厳しく、殺人や誘拐などの凶悪犯が収容されている。男が容易に脱走したことから、施設職員や警備員が脱走をほう助した疑いが持たれている。施設を運営するカーザ基金(元フェベン)は脱走後、施設の所長と脱走時に警備を担当していた職員十八人全員を更迭した。
 男は事件当時十六歳の少年だったため、三年後の〇六年十一月まで収容される予定だったが、同年十一月八日、裁判所が感情の自己制御不能として、精神治療施設への送致を決定した。サンパウロ州には警備の整った施設がないため、引き続き少年更生施設に収容されていた。