株価指数、初の5万台=ボベスパ=米経済指標に好感=中銀は多額のドル買い介入
2007年5月5日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】アメリカ経済が明るい見通しとなり不安が取り除かれたことが引金となり、世界金融市場に安堵感が広がり株価が上昇した。サンパウロ株式市場の平均株価指数は前日比一・五%高の五万二一八ポイントで取引を終え、史上初めて五万ポイントを超えた。ニューヨークのダウ株価も三日連続で最高値を更新、〇・二二%高の一万三二四一ポイントとなった。
これにともない外国投資家による大量の外資が流入したことでドル相場が下落、二レアル台割れも懸念されたことから中銀が介入、買い支えたことで〇・一五%のレアル安となる二・〇二七レアルで取引を終えた。
取引が活発化した背景にはアメリカの二つの要素がある。一つは人件費コストの上昇が第1・四半期で三・五%と踏んでいたのが、実際フタを開けてみると〇・六%にとどまったこと。もう一つは年間の工業生産効率が〇・八%の予想に反し一・七%に上方修正されたことで、これによりインフレに影響されずに経済成長を遂げるとの安心感が広がった。
これがブラジルに追い風となっている。アナリストらはブラジルのインフレ抑制による金利の引き下げに加え、景気回復を目指す瞑連邦準備制度理事会(FRB)の金利切り下げが重なって、ブラジルへの外国投資家の投資が増加しており、この傾向はさらに続くとみている。銀行筋では年内に株価平均指数は六万ポイント台に乗せると予測する向きもある。
サンパウロ株価指数は一九九七年五月に半年かけて一万ポイント台となり、二〇〇三年十一月に二万台に上昇、その後〇五年九月(三万台)、〇六年四月(四万台)と鈍足的に上昇して初めて五万台に乗せた経緯がある。
ドル相場が二レアル割れになるのを阻止するため中銀は三日、買い支えに出た。午前中に為替スワップ三〇億ドル(ドル買いで見返りに債券を発行)を実施して関係者を驚かせた。さらに午後には一〇億ドルの現金買いに出て総額四〇億ドルの介入を行った。
これによりドル相場は二レアル台を割れこむことなく、二・〇二七レアルの終値をつけ、中銀の意図はかろうじて実現した。