2007年5月5日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】サンパウロ市内のビルから街路に大量の水が放出されるのはもの珍しい光景ではなくなった。さながら水の絨毯の様相を呈し、場所によっては風物詩となっている。水は水道公社から配給されるものではなく、ビル建設時に地下水あるいは水溜まりに突き当たり、地盤が低下したことで湧き出したものと考えられている。
ジャルジン区ではとくにこの傾向が強く、あるビルでは一日当り四万三二〇〇リットルを放水している。ビル内には三メートルの深さの貯水槽があるが、一〇分で満杯になることからその都度汲み上げて路上に放水している。その時間はおよそ二分。ビルではガレージの掃除や庭の散水にも利用しているが、飲料として使用可能か検査中。専門筋によるとその可能性が低いことから、放水して捨てざるを得ないと見ている。
いっぽうでサンパウロ州水道局(SABESP)は処理した上水道の三四%を損失していることで対策を迫られている。水処理は一秒間七〇リットルで、損失は一万九三八〇リットルに達する。一日当り一六億リットルで、三九万五〇〇〇人の人口のジアデーマ市の十九日間の消費量に匹敵する。同公社はこの損失を減少させるため日本のJICA(国際協力機構)の協力を得る。日本での損失はわずか八%となっている。