2007年5月5日付け
「アリアンサ移住地八十年史」(仮称)の発行準備が進められている。第一アリアンサが〇五年、第二アリアンサが〇六年に、そして第三アリアンサが今年八十周年を迎えるにあたり、全体を統一した一冊の記念誌を作成、二〇一〇年の発刊を目指して、地道な活動が続けられている。
同記念誌は、全史、産業史、文化活動について、人物紹介など様々な項目が入り、見開き左右に日本語とポルトガル語を対応させ、約五百ページを予定している。関西学院大学大学院の渡辺伸勝さんの協力を得、産業史の部分はほぼ出来上がりつつある。
記念誌編纂に携わっている、弓場農場の矢崎正勝さんは「資料はずいぶん集まってるよ」と笑顔を見せながらも、各アリアンサにはそれぞれ特徴があるため、「どう一つにするかに悩みます。難しい」。
矢崎さんによれば、第三アリアンサでは、信濃海外協会と富山協会との協力体制が順調だったのに対し、第二アリアンサでは長野県と鳥取県との間がよくなかった。また組合ができた時期もそれぞれに異なる。
現地では現在、聞き取り調査が実施されており、各アリアンサでの座談会もすでに開催し、体験者の声を集めている。矢崎さんは「出来はまだ二割ぐらい」と話し、「村民の実体験を盛り込んだところと、資料に基づいた史実を記す部分とをきっちり作りたい」と力を込めた。
また、同地では記念誌の作成と同時に、写真のデジタル化や個人の特定、移民の体験談をDVDで残す試みも進められている。