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PACに灯る「赤信号」=エネルギー部門に集中=電力供給に支障の恐れも

2007年5月9日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八日、既報関連】関係閣僚による経済活性化計画(PAC)の総括会議が七日、プラナルト官で行われた。席上ロウセフ官房長から進展状況が発表されたが、その中で計画が頓挫あるいは大幅な遅れの可能性のある「赤信号」の七案件のうち、六件がエネルギー部門に集中していることが指摘された。
 なかでも四件の水力発電所建設計画に対して環境省の承認が下りないことに官房長官は強い怒りを示した。このうちロンドニア州に建設予定のマデイラ川の二カ所の水力発電所は、総工費一四四億レアルを投じて六六九〇MW以上(イタイプー発電所の半分の能力)を供給するもので、PACの骨子と言えるものとなっている。
 同長官は環境保護が大きな壁となっているとし、間接的にシウヴァ環境相を暗に批判した。しかし、記者会見では「ほかの大臣の責任を追及する立場にない」とした上で、今月中に国会の承認を得られるように対処を望むと発言するにとどまった。その上で、今月中の承認がなければ発電所稼働は二〇一三年以降にずれ込み、電力供給に支障をきたす事態になりかねないと警告している。
 水力発電所建設はほかにも環境省の許可が下りず、ブレーキがかかっているものがある。サンタ・カタリーナ州とリオ・グランデ・ド・スルの州境のパイ・ケレー計画は二〇〇三年から棚上げとなっており、パラナ州のそれは関係省と環境保護団体が今でも対立している。
 このほか、PACで赤信号が灯っている計画は、アマゾナス州のガスパイプライン、ヴィトリア市(エスピリト・サント州)の空港建設、サンタ・カタリーナ州の通信網整備となっている。これら赤信号はPACの八・四%に相当、このほか黄信号が三九・一%、青信号が五二・五%となっている。