2007年5月9日付け
ホルムズ海峡で起きた米原潜と日本のタンカー接触事故は、塗料に引っかき傷がついただけだが、米国で大問題になったとNYタイムスが報じた。日本ではニュースにもならなかった。米原潜の艦長は責任を取らされクビになった。ポリチカ・エステルナ誌によると、タンカーの船底に米原潜が小判鮫のように張り付いて同海峡を出入りしているという。レーダーの監視を逃れるため原潜は紙一重の間隔でタンカーの船底に付き添っている。
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サトウキビの栽培面積が六四〇万ヘクタールへ激増したことで、産地は猫の手も欲しい収穫で大童である。問題なのは収穫機のオペレーターと故障した収穫機を修理する整備士不足だ。収穫機がストップしたら、砂糖を満載した船が座礁したようなもの。
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サトウキビ栽培の完全機械化が始まって九年になる。急激な機械需要で増産に次ぐ増産で、オペレーターと整備士の養成が間に合わなかった。現在はリモコンによって動く収穫機を設計中だ。
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サトウキビ畑の拡大で地価が高騰し、牧場の借地料も上がった。牧畜業者は転業か牧畜のハイテク化で選択を迫られている。牛の品種改良と西バイア州やパラー州、トカンチンス州への移動が緊急課題である。
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サトウキビ景気の影響は農村労働者の給与を引き上げ、サトウキビ以外の穀類生産者をも窮地に追い込んだ。生産利益率が低い分野は、サトウキビに踏み潰されている。生産技術と利益獲得の勉強は死活問題だ。
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三角ミナスやパラナ州北西部、ゴイアス州南部、マト・グロッソ・ド・スル州東部の牧畜業者は、立ち退き命令を出された気分だ。アマゾン熱帯雨林の保護で牧場の拡張には限界がある。牧畜はこれまでの放牧式から屋外の集中飼育方式に変わりつつある。
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サトウキビと牧畜の折衷方式が注目されている。代々牧畜を営んできた人たちは、サトウキビ景気が大豆景気のような一時的なものか判断に迷っている。牧畜技術は近年、バイテクのお陰で急速に進歩した。