2007年5月9日付け
八十歳になっても「知りたい」という意欲に満ちている西岡吾一さん(サンパウロ市モオカ区)。写真店経営だった腕を生かして、ここ数年、植物園やオルト・フロレスタルで花、蝶、虫、きのこなどを撮り続けてきた。合わせて二百五十点、きのこだけで百三十点ほどになる。A4版大に焼き付けした作品を本綴じ状にし「広くこどもたちに見せたい」と言う▼すでに松柏大志万学院やたんぽぽ幼稚園に持参し、見せた。しかし、写真が美しい、興味深い、だけでは物足りない。どんなきのこか、名などをみずから知り、説明や注釈をつけられたらいい、と欲が出てきた▼周囲の知っていそうな人に訊ねたが、要領を得ない。百三十種ほどのきのこには、当然有毒のものもあるはずで、それを知りたい、ということだ。「オブラ・デ・デウス」(神の仕業)といわれるほど、きのこには自然が巧まず、すばらしい形と色を与えている▼西岡さんは余暇の活動で、人間社会の〃みにくさ〃を体験させられてきた。五八年から約三十年続けてきた写真店を閉めた理由は強盗が押し入るからである。植物園の蝶や虫の種類は、写真を撮り始めてから、そんなに年月が経っていないにもかかわらず、ぐんと減ったそうだ。環境汚染のせいか。蝶が減ったので、きのこを中心にしたのだ▼今、きのこにはまって、食用になる野生のものを人工的に増やすにはどうしたらいいのか、まで興味がある。知っている人は電話6601・0734につなぎ、教えてあげて下さい。(神)