2007年5月12日付け
どうやら子どもらの人気は母親に集まるものらしい。その昔―。「オ―・マイパパ」は大ヒットしたし、「父の日」もある。けれども、どちらに軍配をとなれば、勝ち名乗りはお母さんに上げざるをえない。父は、怒鳴り役で小言幸兵衛だし、母は可愛がる傾向が強いからなのだろうが、やはり「オ―・マイママ」がいい。それに「母の日」が歴史的にも、ちょっぴり古いし、母性本能をいささか(いや大いに)擽るし―▼小野眉秀は「母の日や母に甘えし記憶なく」と詠む。アメリカのアンナ・ジャービスさんが提唱して始まった「母の日」は、今や世界的に広がり、商店街の猛烈な商戦もあってプレゼント合戦がたけなわだし、伝統的な一輪のカ―ネイションでは済まない。高校生の頃だったかに、母が健在な人は赤いのを胸に―。母亡き人は白いカ―ネイションをと教わったが、ブラジルではバラが好まれると耳にした▼友人に花屋がいて「母の日」に遊びに行くと、贈り物の花束を造るので大忙し。酒盃を傾けるの暇などはない。お客が押しかけて超多忙になると「ちょっと手伝って」の声が掛かるし―花屋にとっては1年のうちでも稼ぎ頭なのだそうな。そんなわけで後年は若い女性記者を取材も兼ねての助っ人に派遣?し、手助けをしたものである▼と、こんなにも感謝されるお母さんは、子育ての苦労も忘れゆったりと幸せに浸り新たな活力を芽生えらせるに違いない。高価なプレゼントは結構だけれども、心の篭った小さな花束が、母の胸底にどれほど強く響くか―である。13日は「母の日」。8日の制服を征服に訂正します。 (遯)