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レアル高の波にどう乗るか=かつてない現象=強固な経済基盤を反映=「大人の国」となった伯

2007年5月16日付け

 【ヴェージャ誌二〇〇四号】ドル安レアル高時代には、これを結果ではなく現実として捉え、いかに波に乗るかを考えるべきだ。二〇〇三年一月は、一レアルで〇・二八ドルしか交換できなかった。それが現在は〇・五ドル。レアル通貨の価値が約二倍になったのだ。政府は二〇〇三年に借りた借金を半分払えば、清算ができる。企業は往年の半額で、工作機械を購入できる。外国企業との合弁も、往年の半額でできる。国内には輸入品が溢れ、往年の半額で売られるためインフレにならない。全ての国産品は輸入品が価格を下げてくれる。未だかつて体験したことのない現象が起きている。
 ブラジルの産業に庶民の消費感覚革命が起きている。一ドル二レアルの壁を破るのも時間の問題といわれる現在、とめどなくドルは落ちていくと思ってよい。これは、心理的壁ともいえる。外国留学を夢みていた技術者や零細企業主は、外国で見聞を広めるチャンスである。
 企業は、製造機の最新型機種への交換と製造ライン近代化のチャンス。診療所は最新鋭機器の購入により、不可能とされた難病治療へ挑戦するチャンスだ。今日のブラジルは、昨日のブラジルではない。新しく生まれ変わったブラジルなのだ。
 ブラジルに吹き寄せる風は、中国やインドと同じように、発展を助ける風である。これまでブラジルは足元ばかりを眺めていたが、国際的視野で考える時代が来た。レアル通貨が強くなったのは、経済基盤が強固になったことを意味している。
 レアル高はシャックリのような一時的現象ではなく、長期的傾向である。インフレは先進国並みに落ち着いた。外債で悩む必要もなくなった。ブラジル歴史上初めて、債権国入りしたのだ。ブラジル経済は成長し、為替は需給の法則に任せる変動制とするべき時期がきたようだ。
 ブラジルが大人の国だと国際金融から理解されれば、投資の流れが形成される。世界経済の構造変化は、毎度のことで珍しくない。生産方式の発展により在来方式が葬られ、新方式が台頭する。コンピューターが、タイプライターを葬ったように。
 新方式は生産性を上げ、多くの雇用を生んだ。技術革新は国家経済のけん引車である。これまでも火の発見や蒸気機関の発明があった。続いて流れ作業や情報通信革命などの現象は、旧体制を打ち砕き、新体制を築いた。
 変革の時代は必ずしも技術革新ばかりではない。中国やインドに起こった労働の革新でもよい。世界は力の均衡で成り立ち、ブラジルもそれから逃れられない。影響力のある国と競争力に富む国が、新しい国際環境を形成する。
 レアル通貨は臥薪嘗胆の結果、現在の価値を築いたのだ。十年前のブラジル経済と比較すると、まるでウソのようだ。レアル高は高金利政策の結果だという見方は知恵がない。もしそうだとするなら、ブラジルへの直接投資がこんなに膨大であり得ない。
 金利は低下し、国債の期限は四十五年などと長期化しているのに、投資は衰えない。ここへ至るには外債危機や国民の血の結晶である貯蓄凍結、ハイパーインフレ、七回にわたる通貨の変更、一一回のショック政策と失敗、二回の恥ずべきモラトリアムがあった。
 ドル安には米財政赤字の調整が原因している。だからドル安傾向は長期的に続く。しかし、レアル高で敗退した業種は一部であり、サービス部門は意気揚々としている。ブラジルの貿易戦争は、負傷兵を置いて前進するしかない。工業部門には、ダーウィンの適者生存の法則を適用するしかなさそうだ。
 玩具のエストレーラは一九九六年、中国製玩具の攻勢に敗れ、断頭台に首をさらした。ところが二〇〇六年の売上は、前年比四〇%増で蘇生した。勝ち目のない敵とは同盟を組めという格言を実行したのだ。エストレーラは、品質を確保しながら中国で製造し、生産コストを三五%カットした。

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