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USP学生・職員スト入り=大学自治への政府介入に抗議

2007年5月19日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十八日】大学自治への介入に抗議して、サンパウロ総合大学(USP)の学生約三〇〇人が大学本部のある建物を占拠してから十五日が経過、さらに職員一万五二九五人の7割と学生約二〇〇〇人がスト入りし、同大学は混迷の度を深めている。
 州政府と大学の対立は、今年一月に政府が高等教育局を設置し、政府の許可の下で大学予算を電子システムで処理・運営するよう大学に強制したことから始まった。USP始めカンピーナス州立大学、サンパウロ州立大学の総長らは二月に会合を開き、毎日の経費はシステムを通すが、処理に対する州知事の許可は不要と表明していた。
 州政府の計画を大学自治への介入とみた学生らが今月三日に大学本部のある建物を占拠、十六日には職員、十七日には一部学生がストを開始した。抗議行動を支持する教職員組合も二十三日に集会を開き、ストに加わるかどうか決定する予定。
 三大学の総長らは十七日夜、大学自治を尊重する内容の通達を政府が十六日に出したことを理由に、大学自治に対するリスクはなくなったとした声明を発表。裁判所は大学の求めていた建物の占拠中止の仮処分を出した。学生らが裁判所命令に従わない場合、警察が実力行使で立ち退かせる可能性も出てきた。
 学生側は大学自治擁護に加え学生寮の増設と大学改革を要求、大学側は占拠を中止しないかぎり交渉に応じないとしており、こう着状態が続いている。