2007年5月22日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】連邦警察は二十日、剃刀作戦の一環でロンドー鉱動相に収賄容疑があることを明らかにした。ピアウイ州の電化工事でガウタマ建設会社へ予算交付の便宜を図り、謝礼を受け取った疑い。逮捕状の発行には至っていないが、同建設会社を捜査介入した際に押収した書類から、立件の可能性はある。連警の報告によれば、同建設会社の女性職員が賄賂を封筒に入れて鉱動省へ赴き、手ぶらで退出した録画画像を入手したという。女性職員は鉱動相の隣の控え室に通され、鉱動相側近で拘束中のイヴォ・A・コスタ容疑者に手渡したとされる。
同鉱動相は、ブラジル民主運動党(PNDB)の推薦で入閣した。受け取った賄賂は約一〇万レアルとみられる。押収した書類には、鉱動相の日程表と、コスタ容疑者と同建設会社のズレイド・S・ヴェラス社長との癒着関係が記録されていた。同捜査が進展するに従い、閣僚の審理のため最高裁へ書類送検される。
ルーラ大統領のパラグアイ訪問に同行した鉱動相は、疑惑は何のことか知らないし、ことの経緯についても知らないと述べた。大統領には進退伺いをしていないようだ。コスタ容疑者は、十七日拘束された四十六人の一人である。
知らぬ存ぜぬの同相だが、連警が賄賂は一〇万レアルと示唆したのが信じられないと洩らした。これらは、裁判所が秘密裏に審理すべきことで、外部へ明かすことではないはずと述べた。剃刀作戦は下捜査の段階であり、後の捜査結果公表まで内密にすべきことであったという。
それを敢えて漏洩するのは、経済活性化計画(PAC)を混乱させ、延滞させる意図があるから。PACは剃刀作戦などで妨害できるものではないと同相はいう。鉱動相は、広報局長官から鉱動相の失脚と情報提供の動きがあることを通知されていたようだ。
連邦監査院(CGU)は、ガウタマ建設会社へ予算交付で便宜を図る補足令を上程した議員の取り調べを始めた。連警が摘発した不正入札と補足令の関係を解明するためだ。不正入札の第一歩は、州段階で国会議員の関与を隠すように細工をしている。
複数の補足令を組み合わせ、上程者も複数にして追跡調査ができないように工夫した。補足令は州の要請であり、州勤務の国家公務員が不正入札や資金の横流しを担当し、疑惑が州へ向くように工作をした。議員個人に許される補足令の制限は六〇〇万レアルであるが、複数議員になると制限枠がないのもミソ。
連警と検察庁は、ガウタマ建設会社のヴェラス社長に関する密告を懸賞金つきで募集している。応募者が受刑者であれば減刑に、税金滞納者であれば残額減税などの恩典がある。剃刀作戦で逮捕された容疑者四十七人のうち、捜査協力を容認し、特別待遇の留置所に移された者もいる。
これまで容疑者の自白を促すには、裁判でのサジ加減をエサに釣る作戦が功を奏した。救急車マフィアのヴェドインや裏金疑惑のヴァレーリオ、郵政省疑惑のマリーニョなど、どれも協力し、芋ずる式に関与者を引き渡した。しかし、ヴェラス社長だけは関与した議員の名について絶対に口を割らず、一筋縄で行かないようだ。