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コラム 樹海

2007年5月22日付け

 辞典を引いて「瑞穂」を見ると、青々とした稲の穂とあり、「みずほの国」は、昔、わが国をほめて言った呼び名―とある。今も列島は山が多く、乱開発が進んだとはいえ、
国土の70%は林や森である。だが、農耕地は少なく、食糧自給率は40%と寂しい。牛肉も焼き鳥の鶏も輸入だし、葱などの野菜類も外国製品を買いあさり食卓に乗せてのグルメである▼青い菜などの野菜は中国からの物がいっぱいあり、日本の庶民は大いに助かっている。けれども、輸入したものを検査して見ると、農薬の残留量が多かったりして返品されるのがかなりある。中国の農家の人々は、こうした問題に無頓着なのだろうが、日本では禁止になっている薬品などをじゃんじゃん使うのは、やはりまずい▼こうした被害は日本だけに限らない。アメリカでは、中国から輸入したペットフードを食べた犬や猫が何百頭も死んでしまった。愛犬家にとっては、これこそ最大の哀しみであり、余りに切なくて夜も眠れない。というわけで当局が調べると、食品への使用が禁じられている化学物質メラミンを小麦粉に混ぜて米国に輸出していたことがわかった。この樹脂は腎臓で悪質な結晶を作り―ペットが死にいたる原因だとされる▼パナマでは咳止め薬を飲んだ人々100人超が急死し―いや、365人が死亡したの説も有力だが、ここでも中国が出てくる。人間に使ってはいけない産業用の安価な「ジェチレングリコ―ル」を「グリセリン99・5%」と偽って輸出したので大事件になったのでる。ここまでくると、中国や恐るべし―である。   (遯)